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ダークすぎた『インサイド・ヘッド2』“恥”が出てくるバージョン「二度と観たくない」

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月3日 23時48分

 ディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』のケルシー・マン監督とプロデューサーのマーク・ニールセンが来日時にインタビューに応じ、一度は検討したという「Shame(恥)」が出てくるバージョンについて語った。

 前作『インサイド・ヘッド』でのライリーは11歳で、彼女の頭の中にいる感情はヨロコビ(喜び)、カナシミ(悲しみ)、イカリ(怒り)、ムカムカ(嫌悪)、ビビリ(恐れ)というシンプルな5人だけだった。しかし、本作のライリーは人生の転機を迎えるティーンエイジャーで、新たに現れた大人の感情であるシンパイ(不安)、イイナー(嫉妬)、ダリィ(倦怠)、ハズカシ(羞恥心)が彼女の中で嵐を巻き起こすことになる。

 ピクサーでの映画作りは、さまざまなストーリーリール(脚本を基にストーリーボードを作り、編集して仮の音を付けたもの)を作って、語るべき物語を見つけていく形をとる。人間には27の感情があるともいわれており、マン監督とニールセンたちは実際にリールを作り、新たなキャラクターとしてシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシ以外にも「本当にたくさん」の感情を検討したという。

 ニールセンは「心理学の専門家たちとたくさん話をし、思春期に強い形で現れる感情にはどんなものがあるのかリサーチをした。制作過程で作ったたくさんのバージョンには他にもいろいろな感情がいたけれど、最終的にはティーンエイジャーが一番向き合わざるを得ず、手に余る感情、他人と比べてしまう気持ちといった“自意識”を取り上げるのがいいんじゃないかとなってね。そして、僕たちが愛せた感情たちが残ったんだ」と振り返る。

 日の目を見ることはなかったが、超初期の段階でよく検討したのが「Shame(恥)」というキャラクターだったとマン監督は明かす。「思春期は自分にすごく厳しくなりがちで、“わたしは十分よくない”という考えが現れてくる。僕もそうだった。そして、それは常に対処しなくてはならないもので、大人になったら消え失せるというものではないよね。ティーンの頃より回数はずっと少なくなったし、対処するのもずっとうまくなったけれど、僕は今もそういう考えが浮かぶ時がある。だからこそ、僕たちはShameという感情を登場させるというアイデアをいじくりまわしていたんだ」

 「だけどそれは、映画を信じられないくらいダークにしてしまった」とマン監督。「観るのがつらいんだ。Shameがスクリーンに出てくると、全然楽しめない。いい悪役に必要なのは、そのシーンを観たいと思わせること。でもShameはスクリーンに戻ってきてほしいと思えなかった。本当にひどい感情だ。マークと僕はエンターテインメントで、観るのが楽しい映画を作りたかった。もう1回観たいと思えるようなね。僕はそのバージョンは二度と観たくない(笑)。だけどShame、その“自分は足りていない”というフィーリングは今も映画の中に残っている。ダークなキャラクターとして表現してはいないけれどね」

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