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「光る君へ」実物が残っていない紫式部の文字はこうして生まれた!書道指導・根本知が明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月11日 12時0分

 変化しているのは書だけではなく、紫式部が大長編の「源氏物語」を完成できたのは上質の紙があってこそだと根本は語る。

 「劇中に登場する紙は低級、中級、上級と3段階あって、まひろの身分が高くなるにつれて紙の質を変えてるんです。まひろが為時邸で書き物をしたり、代筆のアルバイトをしていたシーンなどが低級紙です。混ざり物のある茶色の紙ですね。まひろが宮中で『源氏物語』を書くようになると紙の質も上がってくる。まひろが越前で暮らしていた頃に越前和紙に感激していたことからも彼女が紙を大事にしていることがわかります。だから大きく堂々と書くことはしないだろうし、だけど物語をたくさん書かなきゃいけない。なので文字を徐々に小さくしているんです。低級紙だとにじんでしまうので大ぶりに書いていますが、後半に行くに従ってびっしり書くようになります。越前和紙ができたから『源氏物語』が生まれたと言っても過言ではないと思います。加えて、キャストの方々には攀桂堂さん(滋賀県高島市)が作っている紙巻筆を使っていただいていますが、一本伸びている命毛が重要で、この筆だからこそ細かい字の回転も可能になっています」と言い、「文房具の進化も見逃しちゃいけない」と強調していた。(編集部・石井百合子)

根本知(ねもと・さとし)

 立正大学文学部特任講師。教鞭を執る傍ら、腕時計ブランド「Grand Seiko」への作品提供(2018)やニューヨークでの個展開催(2019)など多岐にわたって活動。無料WEB連載「ひとうたの茶席」(2020~)では茶の湯へと繋がる和歌の思想について解説、および作品を制作。近著に「平安かな書道入門 古筆の見方と学び方」(2023)がある。

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