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綾野剛&星野源『ラストマイル』で4機捜再び!「MIU404」の魅力

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月15日 7時32分

物語を最高なものにした菅田将暉

 もう一つ、本作の特徴として挙げられるのが、事件を起こす側の描写だ。全体的に罪を犯してしまう理由には、世の中の理不尽さと不条理さが背景にある。だからといって犯罪に手を染めていいことにはならないが、エンターテインメントとして事件を描く際、容疑者や犯人と思われる人間にどれだけ感情移入できるかは、作品の大きな肝になる。

 その意味で本作は、警察から追われる立場の人間の背景を丁寧に描いているため、グッと作品に入り込める。特にファンの間でも傑作と言われている第4話「ミリオンダラー・ガール」で美村理江が演じた青池透子(正確には犯人という立ち位置ではないが)の生き様が、徐々に明らかになっていくにつれ、伊吹が魅了されていくように、視聴者も彼女に肩入れしてしまう。

 事件を解決していく刑事ものでありつつ、強いメッセージ性と深い人物描写によってヒューマンドラマという側面も強いことが、これまでの刑事バディものとは一線を画している本作。

 そんな作品をいい意味で“奇妙”なものにしているのが、菅田将暉が演じている久住だ。第3話「分岐点」で、謎の男として登場すると、伊吹や志摩を翻弄しまくり罪を重ねるが、これまで登場してきた警察に追われる人間たちのように、罪を犯してしまった背景が全く見えてこない。自らを「人間ではない」と言い切るように、まさにサイコパスと呼べるようなキャラクター。

 “血が通っている人間”たちが織り成すヒューマンドラマで、不協和音のごとく立ち振る舞う“人間ではない”久住。そんな久住と“血が通いまくっている”伊吹との対峙は、本作の一つの大きなクライマックスとも言える。

 重厚な人間ドラマにサスペンスが散りばめられ、しかも奇妙さも相まって、これまでにない刑事ドラマとなった「MIU404」。映画『ラストマイル』には、伊吹、志摩、陣馬はもちろん、警視庁刑事部機動捜査隊・隊長の桔梗ゆづる(麻生久美子)らの出演が発表されている。どんな形で彼らが物語に絡むのか……この目で確認したい。(文・磯部正和)

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