ゆるすぎ『THE3名様』は全編アドリブ？3名様の証言

　台本を叩き込み、アウトプットするだけではない。トークテーマだけ決めて、それぞれのキャラクターが即興劇をしているかのようなナチュラルさがあるからこそ、台本劇であるように感じられない。それは、会話の中で生まれる呼吸感や独特な間合いですら、芝居に見えないほど自然だからこそなのだろう。塚本は、「これって僕らがすごいとかではなくて、恵まれてるなあって思うところなんです。役者同士だとしても、こんな息が合う人たちってなかなかいない。こんなにも信頼できて、しかも面白いと思える2人が近くにいてくれてるっていうのはもうすごく恵まれてると思っています」と改めて、2人に感謝を伝えた。

　セリフがあるとしても、どんな芝居になってセリフが飛び出すのかは本番で決まってくるそうで、今回の映画でも「なんか塚本さんの情緒が急にバーン！　って上がったりするんですよ（笑）。あれって本番で急に起きるんだけど、それを僕と義徳くんがどう受け止めるかっていう。だから笑ったりするのも本当に笑っちゃってることも多いんです」と佐藤が話すと、塚本は「2人が本当にいい滑走路になるんですよ。それでセリフを話しているうちになんか、どんどんエンジンがかかっちゃって、飛べちゃうんです」とうれしそうに3人のケミストリーが爆発する瞬間を振り返った。

　芝居の面でも、人間的にも絶対的な信頼関係で結ばれた「3名様」の復活劇はコロナ禍だったが、そんな再会のタイミングを塚本は「ああいうときだったからこそ、不安を忘れて、ゆる～い3名様をもう一度届けたいという気持ちがありました。それはみんな同じだったと思う」と振り返る。2年を経て、改めて映画として戻ってきた復活劇を、岡田は「一回限りの復活は絶対嫌だと思ったので、できるだけ早い段階で復活した後の第2弾を作ろうと思ったので、こうしてまた届けることができてよかったです」と作品を再びファンの元に届ける喜びを噛み締めた。（取材・文　森田真帆）

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