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「光る君へ」恐ろしい女社会をサバイブするには?左衛門の内侍役・菅野莉央が学んだ処世術

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月6日 20時45分

 吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、中宮・彰子(見上愛)に仕える女房・左衛門の内侍(さえもんのないし)を演じる菅野莉央。劇中、まひろを敵視する役どころで注目を浴びているが、菅野が本作で描かれる女社会をサバイブする難しさや、演じることで感じた処世術について語った。

 2歳のころから子役として活躍し、中田秀夫監督のホラー映画『仄暗い水の底から』(2002)や、『ジョゼと虎と魚たち』(2003)などで子役時代から活躍してきた菅野。大河ドラマへの出演は「風林火山」(2007)、「青天を衝け」(2021)に続いて3度目となる。「光る君へ」で演じる左衛門の内侍は、実在する女房で本名は橘隆子(たちばなのたかこ)。紫式部に「日本紀の御局」(学問に長けていることを鼻にかけているとの意)というあだ名をつけた人物とされている。

 彰子の女房たちは、リーダー格の宮の宣旨(小林きな子)を筆頭に大納言の君(真下玲奈)、小少将の君(福井夏)、宰相の君(瀬戸さおり)、馬中将の君(羽惟)、第38回から藤壺に出仕した和泉式部(あかね/泉里香)らがいるが、左衛門の内侍はその中でどのようなポジションにいるのか。

 「左衛門の内侍が他の女房と違っているのが、一条天皇にもお仕えしていること。中宮様と兼務している形なので、皆さんが寝起きしている部屋にもいないんです。その意味でもプライドがあるのだろうと思いますし、“あなたたちよりはちょっと格上なのよ”と思っている節はあるんだろうなと。あと出世欲、上昇志向も強いと思います。女房達の間で彰子さまが薄紅色を好むと認識されていたので(実際はあさぎ色を好んでいた)、左衛門の内侍も薄紅色の装束をまとっています。それぐらい彰子さまのことが大好きで忠誠心も強いというのもありますが、一方で彰子さまに気に入られたい、より上のポジションに行きたいというエゴの表れでもあるような気がしています」

 女房装束については一人一人、基調となる色や柄が決まっているほか“マイ扇”もあるのだとか。「衣装合わせの時に“この人はこの組み合わせで”みたいな感じで、羽織るものも決められているんです。まるで制服のようで、キャストが“出勤”するとみな自分のカラーの装束のところに立って着付けしていただくんですけど、1枚1枚に綺麗な刺繍などが施されていて、それを踏んで歩くのがしのびないと思うほどで。お衣装のみならず調度品、枕周り、几帳にかかっているものなど“ここまで映るのかな”と思うような細部まで作り込まれているので、演じる側としては入り込みやすいですし、贅沢な場を用意していただいているなと実感しています。ちなみに左衛門の内侍の扇には鳥獣戯画のような柄が入っています。扇の大きさも役職、位が上がるにつれて大きくなっていて、リーダーの宮の宣旨さんの扇はものすごく大きくて、まひろさんは開き具合も狭くて小ぶりなサイズ感になっています(笑)」

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