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【レビュー】『室井慎次 敗れざる者』青島との約束から27年、時代が変わっても変わらない“室井さん”がそこに

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月11日 7時3分

「踊る」ファンへのプレゼント

 また、「踊る」おなじみキャラクターたちが登場するのは、ファンにはたまらないプレゼントだ。湾岸署の立ち番警官だった緒方薫(甲本雅裕)は意外な姿を見せ、室井のかわりに秋田県警本部長になった新城賢太郎(筧利夫)は事件の捜査に参加するよう室井に要請、警視庁官房審議官の沖田仁美(真矢ミキ)は部下を従えてさっそうと職務をまっとうしている。中でも、室井と同じ秋田出身の森下孝治(遠山俊也)の登場シーンは、涙無くしては見られない。名シーンぞろいの過去回想映像とともに、多くの感動が押し寄せてくる。

 もちろん、「踊る」ならではのコミカルでテンポのいい“本広演出”も健在だ。シリアスな物語性に加味されたクスッと笑える軽さは、舞台が自然の風景と雪景色という新鮮味とともに、映画の観やすさにつながった。さらに、いまのエンタメ界で注目を集める若手の2人、齋藤の瑞々しさや福本のミステリアスな芝居、さらに的確さと鋭さが光る松下洸平の演技も見逃せない。

 物語としての評価は、続く『生き続ける者』の公開を待ちたいところではあるが、室井慎次のいまの生き方は、かつての彼を知っている者には興味深いだろう。彼が警察に戻るのかも? という示唆も意味深だ。「踊る」未見の人には少々見づらいかもしれないが、そのための再放送、配信の大盤振る舞いといえる。この機会にぜひ、「踊る大捜査線」という日本のエンタメ界を変えた大傑作に触れてみてほしい。連ドラ最終話の感動をいまから味わえるなんて、逆に羨ましいくらいだ。そして、青島と室井の“約束”の行方を見届けるためにも、11月には『生き続ける者』を観なければ。(文:早川あゆみ)

『室井慎次 敗れざる者』全国公開中
『室井慎次 生き続ける者』11月15日(金)全国公開

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