新たな「龍が如く」で描く“矛盾”を抱えた桐生一馬 武正晴監督が語る実写ドラマの狙い
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月26日 19時3分
2005年に誕生し、シリーズ全世界累計売上本数2,700万本以上を記録しているセガの大ヒットゲーム「龍が如く」。同作をオリジナル脚本で実写化した Amazon Original ドラマ「龍が如く ~Beyond the Game~」が Prime Videoで配信中。同作のメガホンを取った武正晴監督(Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」など)がインタビューに応じ、実写ドラマ化における狙いや主人公・桐生一馬の描き方について語った。
「龍が如く」は、“大人向けのエンターテインメント作品”というコンセプトに基づき、巨大歓楽街・神室町に生きる極道たちの生き様を描いたアクションゲームシリーズ。実写ドラマは、全6話のクライム・サスペンスアクションとして、1995年と2005年の二つの時間軸を交差させながら、桐生ら“家族”の絆の物語を紡ぐ。
武監督が参加したのは2022年3月のこと。「Amazonスタジオさんから(実写ドラマを)やるという話を聞いて、8月ぐらいからシナリオ制作が始まりました。もともと、アメリカの脚本家(ショーン・クラウチ)が参加していて、 話の大筋はすでに完成していました」武監督はそこから、吉田康弘&山田佳奈と共に約5か月かけて日本語脚本を完成させた。
本作の制作総指揮にも名を連ねる「龍が如くスタジオ」の横山昌義代表は、「モノマネをされる」ことが一番恐れていたことだと、7月に公開されたビデオメッセージで語っていた。武監督も「これだけ注目されている人気ゲームで、僕も含めてどうしても“原作の再現”に力を置きがちなんです」と切り出し、「モノマネする必要はない」と横山代表の要望通り、全く新しい「龍が如く」の世界観を構築していった。
「(原作を忠実に実写化する)プレッシャーからの解放みたいなことも含めて、モノマネする必要はないと思いました。もちろん、ゲームのポイントになるところは大事にしていかなければなりません。例えば、真島吾朗を出すことによって、そこの再現性を思いっきりやることができます。ただ、みんながそこばかり目指し始めると、バランスが悪くなってしまうんです。それ以外にも、何か狙っていかないといけない部分ってあるよねと。『全裸監督』を制作した時、(村西とおる役の)山田孝之さんにも同じことを言いました」
物語の中核を担うのは、原作ゲームでもお馴染みのキャラクター、桐生一馬(竹内涼真)と錦山彰(賀来賢人)だ。児童養護施設でともに育ち、家族のような絆で結ばれた2人だが、極道の世界に身を投じ、あることをきっかけにその関係は徐々に崩壊していく。
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