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“怖いガンダム”への挑戦「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」が描くMS描写へのこだわり

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月26日 13時12分

 “白い悪魔”の恐ろしさを演出するため、さまざまな工夫がこらされた。由良は「観た方には気づいていただいたと思いますが、今回のガンダムは表情が変わるんです。戦闘が終わったら目がぱっと開いたりする。そうやって、いかにして怖さを演出するか、仕草にもすごく気を使いながら試行錯誤しました。また、全話を観た後で振り返っていただくと、その仕草への理解が深まるようにしています。ただ怖いだけではなく、ちゃんと操縦するパイロットが乗っているんだということが、見返すとわかるようになっているんです」

 圧倒的な性能差を誇るガンダムに対抗する、ジオンの奮闘も本作の重要な要素。その中でも特に前半で印象的なのが、ザクタンクの活躍だ。彌富は「理由はわからないんですが、脚本のギャビン・ハイナイトがザクタンクを好きらしいんです(笑)。ただ、一年戦争のタイムラインで出せるモビルスーツには制限があるため、その必然性を大切にしながら、ギャビンとも相談して登場機体は決めていきました」という。

 由良も「あえてザクタンクを活躍させたというよりは、その戦場で動く機体が、ザクタンクしかないという状況ですよね。ガンダムを止めることができず、ザクIIは撃破されてしまい、生き残るために使える手段がザクタンクしかなかった。そうした必然性があってこその活躍なので、魅力的に映ったのではないでしょうか」と語る。

 そして、ガンダムと共にジオン軍を苦しめるのが、連邦の量産型MSジムの存在。過去のシリーズと一味違い、どこか無機質で冷たいジムの特徴といえるのが、やはり目だと由良は明かす。「ジムも(メカニカルスーパーバイザーの)山根公利さんがデザインしているのですが、目がアニメと違ってモノアイに見えるんです。山根さんが参考にされたと言っていたのが、無人兵器のプレデターのカメラ。無機質にキョロキョロと動く感じが、より恐怖感を演出していると思います」

 MSのデザインについては「やはりサンライズさんにとっては大事なIP(知的財産)なので、やってはいけないことはありました。けど同時に、これ通るんだ? みたいなこともありました」という由良。「例えば、ソラリが操縦する、ザクIIのアンテナですね。隊長機なので頭にアンテナが付くものなんですが、ウルフ隊だからと、かわいい耳のようになっているんです。側から見ていて“これは彌富さんが通さないだろう”と思っていたら、いいと言っていただけたり(笑)」と明かすと、彌富も「明らかなNG事項はあるのですが、逆に言えばそれ以外の試みは、社内的にOKであればいいですよと(笑)。もちろん、最終的に全ての要素はサンライズでチェックしていますけどね」と笑みを浮かべる。

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