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「踊る大捜査線」から27年 甲本雅裕「毎回が勝負」だった立ち番時代、“ライバル”森下への熱い思い

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月4日 8時3分

 やがて「踊る」は社会現象を巻き起こしていくが、甲本がその人気と反響を身近に感じたのはいつ頃だったのだろうか。「自分が出演していると、周囲の方がどういうふうに観てくれるかはあまりわからないんです。ただ、連ドラのときから、オンエアを観るたびに『このドラマ、すげえ面白い!』と思っていました。僕はポイントでの参加だったので、全体像はテレビで観て知ったんです。そのうちに、気づいたらエラいことになってた、っていう感じです(笑)」と当時を思い返した。

“ライバル”森下の名シーンに涙

 緒方を語るうえで、ライバル的存在の森下孝治(遠山俊也)の存在は欠かせない。何かと張り合って、どちらが先に刑事になるかを競い合っていたのだが、甲本は「今回の『敗れざる者』では、森下のシーンで泣いてしまって……。もう、ヤバいくらい感動しました」と告白。森下は連ドラで、室井ときりたんぽを食べる約束をしており、それが27年後の今作に生かされていたのだ。「『森下このヤロウ!』って思いました。『ふざけんな』と同時に『いいなぁ』って(笑)。その気持ちを抱いたことで、いまだに森下との関係性はあったんだなと感じました」と明かした。

 「踊る」の映画は12年ぶりだが、2018年から2020年にかけてドラマ「警視庁捜査資料管理室」シリーズ(BSフジ)が制作されており、森下とのライバル関係が描かれるのはそれ以来だった。「森下は物分かりが悪くて、緒方の言うことをだいたいわかってくれないんです。きっとあっちもそう思ってる。だからいつも『もういいよ!』『嫌いだよ!』って終わるのですが、気がつくと『あ、俺だけど』って電話している。そういう関係性な気がします」と解説。演じる遠山とも「けっこう話はかみ合わないです」と笑う。同じ町内に住んでいたこともあり、当時は週一で仲間たちと集まる会があったとか。「別にそんなに仲良くないですよ。遠山さんは先輩ですけど(笑)」とぶっちゃけつつ、「でも、僕がそういうふうに言ったりするのを許してくださるのが、遠山さんの素晴らしいところなんです。実際年上でいらっしゃるのに、それをまったく匂わせない遠山さんだったからこそ、緒方と森下の関係性が作れたんだと思います」とうれしそうに笑った。

「踊る大捜査線」は大きな財産

 甲本にとって、「踊る大捜査線」の魅力はどこにあるのか。「本広(克行)監督をはじめとしたみなさんが、細部までこだわっていろんな伏線を張って、そういった細部にまで目を光らせて観てくださる方々がいた。『踊る』は伏線が命ってところがありますよね。今回もたくさんあって、改めて厚みを感じました」と語る。

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