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『踊る大捜査線』完結編から12年…なぜ今“最後の室井慎次”を描いたのか 亀山千広Pが背負った責任

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月1日 6時54分

 半月後、君塚から映画の企画書が届く。そこには『室井慎次 愛と死』と書かれていた。「その段階で、故郷の秋田で農業をやりながら里子たちを育てていて、そこが室井の終焉の地になるという、現状の骨子はできあがっていました。殺人事件は入ってなかったですけどね。『これは形にしなきゃダメだ』と思いました」

室井慎次と柳葉敏郎への感謝

 室井の最期を描くことについて、亀山プロデューサーは一度だけ、君塚に進言したという。「ロケに入る直前くらいの段階です。室井が病院で死線をさまよっているけど、最後の最後にバイタルがピコンと一発動く、というのではダメですか? って。そうしたら君塚さんは、『その気持ちは全部理解できるけど、それだと僕らはまた室井さんに頼る』と言うんです。『終わらせなきゃダメなんですよ』って。僕は『わかりました』とお答えしました」

 柳葉敏郎自身、室井慎次は大切な親友であると同時に、迷惑な男でもあったとシネマトゥディのインタビューで答えている。「室井に決着がつけば、柳葉さんは室井をかつての友として新しいものに進んでいけるわけです。実際、全部の出番が終わって、新潟でみんなで軽い打上げをやった時の、柳葉さんの楽しそうなこと。『亀山さん、俺、いま、こんなに楽だ』って(笑)。『絶対あとで寂しくなりますよ』とは言いましたけど(笑)、そこには役者・柳葉敏郎しかわからない気持ちがあると思うんです。君塚さんは正しかったなと思いました」と亀山プロデューサーはしみじみと明かした。

 「ファンの方には、本当に申し訳ないことをしたのかもしれないですけど」と前置きしてから、亀山プロデューサーは言う。「室井さんと柳葉さんに『ありがとう』と感謝を捧げたわけです。僕は当たり前ですけど、責任者としてそれに加担しましたし、責任を痛感しました」

 “最後の室井慎次”をどう受けとるかは、観客の自由だ。だが、それらは亀山プロデューサーらが大きな覚悟と責任を伴って送り出した結果なのだということは、間違いない。(取材・文:早川あゆみ)

『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』は全国公開中

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