『室井慎次』日向杏はより凶悪、リクは完全洗脳だった…亀山Pが明かす初期設定&キャスティング秘話
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月8日 7時3分
12年ぶりに再始動した「踊るプロジェクト」の最新映画『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』。故郷・秋田で里親として子供たちと暮らす室井慎次が、過去に絡む殺人事件に巻き込まれる物語で、初登場のキャラクターも多い。シリーズをけん引する亀山千広プロデューサーがインタビューに応じ、物語の成り立ちや、新キャラクターのキャスティング秘話を語った。(以下、『敗れざる者/生き続ける者』のネタバレを含みます)
決定打は『レインボーブリッジを封鎖せよ!』のポスター
今作は、シリーズ脚本家の君塚良一が「室井に決着をつける」と企画したことがはじまりだった。警察を辞した室井の、里子たちや地域の人々との葛藤と交流が秋田を舞台に描かれた物語で、当初は事件の要素はなかったという。
「本広(克行)監督を乗せるために『踊る』要素を強くする必要が出てきたので、事件が起きる設定を加えました。それで、室井家の近くで死体が見つかることにして、それは誰がいいか、犯人はどうしようかと、君塚さんのご自宅の事務所で打ち合わせしていた時、ふと『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』のポスターが目に入ったんです。世の中で一番多くの人が観てくれていて、しかも犯人の1人は東北弁をしゃべっていた。何十年も経っている感じもいいなと思いましたから、これでいきましょう! となりました」と説明した亀山プロデューサー。20年以上経っても破られない、興行収入邦画実写日本一という大記録が活かされた設定だった。
当初の企画の主軸は、日向杏(福本莉子)が室井家をひっかきまわす内容だったという。「はじめは映画ではなく、配信など新しいプラットフォームでの公開も視野に入れていたので、5~6時間のプロットを作っていたんです。だから杏は、牛をメスで傷つけたり、いまよりもっと縦横無尽に悪いことをしていました。リク(柳町凛久/前山くうが・こうが)は完全に洗脳されていて、放火はリクがしていましたね。スティーヴン・キングみたいなサスペンス的要素が入ってもいいと思っていました」と亀山プロデューサーは打ち明けた。
「踊る」史上最悪の猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘という設定であることから、福本は小泉の衣装合わせで“母”と対面した。「福本さんもすごく刺激になったとおっしゃっていました。しかも、すごく勉強家で努力家だから『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』を何度も見て、真奈美の首の曲げ方とかを研究していて。雰囲気がちょっと似て見えますよね。素晴らしい女優さんだと思いました」と亀山プロデューサーは福本を絶賛する。「小泉さんも、ご説明にうかがったら『わかりました』と二つ返事で出演してくださった。感謝しています」
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