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『室井慎次』無線パートに隠された秘話とは?狙いとお約束があった

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月11日 17時15分

本広:実は僕も最初はちょっと構えちゃったところはありましたが、僕は普段からいろんな方に演出を任せている。例えば今回も、真矢ミキさんが演じた沖田仁美のシーンの現場は助監督に任せて、東京で撮ってもらっているそのシーンを、僕は地方のロケ現場からリモートで確認していました。

谷口:それができるのは、最終的に誰が撮ってもコントロールできる自信があるからですよね。

捜索無線のシーンにはドラマがある

Q:収録はどのように進めたのでしょうか?

谷口:最初の打ち合わせで、撮影した画を見せていただいたり、今回の狙いなど大事なところを説明していただいたりしました。その上で脚本どおりに録られていた仮の捜索無線の音声データをいただき、改めてどういう形で録った方がよいのかを考え、セリフを組み立てなおし、その修正のやり取りを何度かさせてもらって、9月下旬にアフレコ収録を行いました。

本広:谷口監督が新たに書いた捜索無線のセリフは、雪崩が起きて要救助者が崖下に滑落した形跡があるみたいな、そこだけでもすごいドラマがあるし、女性の隊長がいるなど、無線員のキャラクターまで全部作っていただきました。僕らではそこまで考えられなかった。

谷口:どうしても無線の声は紛れちゃうものですが、筋道を考えて作っておかないと、そこから受ける+αが違うんですよ。 街中のざわざわした感じなら自由にお任せできますが、例えば病院の中の待合室のガヤなどを役者さんにいきなりやっていただくのは難しいから、そのセリフは自分で作っちゃう時があるんです。

Q:複数の声が交錯していて、小野賢章さん、新井笙子さん、兼政郁人さん、菊池通武さん、中西正樹さん、吉岡琳吾さんの6人の声優さんがクレジットされていますね。そのキャスティングも谷口監督ですか?

谷口:Production I.Gさんの方から、候補声優のリストをいただき、その中で向いていそうな方や際立つ声の組み合わせを考えました。お願いしたのはアニメ的な技に慣れている方ではなく、洋画の吹き替え経験のある方ですね。

Q:特に印象的な最後のセリフに、小野さんを起用した理由とは?

谷口:本広さんから最後の声を特に立てたいと聞いていたので、そこは小野さんにお願いしようと。打ち合わせで名前をあげたのは本広さんでしたよね?

本広:僕は谷口さんだと思ってた。小野さんの奥様の花澤香菜さんは『PSYCHO-PASS サイコパス』のヒロイン役だったので、一緒に仕事しているんですけど。

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