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『室町無頼』大泉洋のアンチヒーローは黒澤映画やマカロニウエスタンをイメージ 入江悠監督が舞台裏明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月19日 12時32分

 日本史上、室町時代に初めて武士階級で一揆を起こしたという記録を歴史に残した男・蓮田兵衛(はすだ・ひょうえ)。己の腕と才覚のみで混沌の世を豪快かつ軽やかに渡る兵衛の姿を描いた映画『室町無頼』が公開中だ。兵衛を演じるのは、数々のドラマや映画で主演を務める大泉洋。無頼=アウトローであり腕っぷし自慢ながら、どこか飄々としていて、つかみどころのない奥行きのある人物を“大泉ならでは”の味付けで魅力的に演じているが、どのようにして唯一無二のヒーローを形作っていったのか……? 撮影の裏側を、メガホンをとった入江悠監督が語った。

 歴史の教科書にも登場する、室町時代最大の戦・応仁の乱(1467年~1477年)前夜の京。垣根涼介の同名小説に基づく本作では、大飢饉と疫病により農民たちが疲弊するなか、お構いなしに年貢を搾り取る役人たちに、武士階級である蓮田兵衛と彼の元に集結した無頼たちが一揆を企てるさまを活写する。

 監督を務めるのは、『SR サイタマノラッパー』シリーズや『AI崩壊』『あんのこと』など規模の大小問わず幅広い作品に挑む入江悠監督だ。本企画は2016年にスタートし、撮影が終了するまでの歳月は足掛け8年に渡る。入江監督は「最初に原作小説を読ませていただいたとき、室町時代を舞台にした時代劇というのはほとんど記憶になかった。もともと子供のころから時代劇が好きだったのですが、室町時代をどうやって撮るのか」というのが一番の興味だったという。

 企画はスタートしたものの、原作を忠実に描くとなると10万人以上のエキストラを要するなど現実的ではない部分をどうやって映像として表現していくかなど、難題が山積みだった。さらにコロナ禍に突入し、進行は困難を極めた。

 それでも企画が生き残ったのは、兵衛役の大泉、そして兵衛のライバルであり幕府の警護役の首領・骨皮道賢(ほねかわ・どうけん)役の堤真一の作品に対する思いが強かったからだという。入江監督は「企画が走り出したときにまず脚本を書いたんです。そのホンに大泉さんが乗ってくださった。そして道賢役の堤さんも面白いと賛同してくれました。正直何度か映画化がピンチに見舞われたのですが、ずっと大泉さんと堤さんが“やりましょう”と言ってくださっていました。そのおかげでとん挫せずに生き残ったんです」と大泉、堤の熱意に感謝を述べる。

大泉洋の持ち味も反映したキャラクターづくり

 劇中の兵衛は、農民たちのピンチを救うヒーローでありつつ、どこか飄々としており、無用と思えば関所などへの火つけも、人を斬り倒すことも辞さないダークな一面も持つ一筋縄ではいかない人物だ。

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