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『室町無頼』長尾謙杜の超人技、誕生の裏側 厳しい京都撮影所のスタッフ全員が拍手

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月24日 8時15分

 さらにクライマックスのアクションシーンでは、ワンカットの長回しでの撮影が敢行された。そこでも長尾演じる才蔵は、神業ともいえるアクロバティックなアクションを見せる。入江監督も「綿密に準備はしましたが、大勢の俳優さんとの絡みもありますし、屋根に上るなどワイヤーアクションもあった。タイミングを含めて、さすがにちょっと難しいかな」と当初は期待はしつつも、ほかの方法を考えていたという。

 しかし長尾は、無謀と思えるような挑戦も見事に演じ切った。入江監督は「京都撮影所のスタッフさんも全員拍手していました。アクションの出来はもちろんなのですが、彼のガッツを見ていた京都のスタッフさんがみな感動していたんです。京都のスタッフさんってちょっと厳しいところがあるのですが、照明技師の方などもめちゃくちゃ拍手していました。実力でみなを感動させるってすごいことだと思います」と長尾のチャレンジに称賛を送っていた。

 「とにかく弱音を吐かない」と長尾の特長を語った入江監督。そこにはちょうど22歳という年齢もうまくマッチしていたという。「プロフェッショナルであることはもちろんですが、若さゆえのがむしゃらさというか。ある程度年齢や経験を重ねると、自分の限界も分かるし、こちらがどれだけ無謀なハードルを課しているのか、見えてくるじゃないですか。でも彼はそういうことをまったく考えずに現場に来ていたと思うんです。目指せば目指すだけ上に行けるというか。そういうタイミングで長尾くんに会えたことはすごく良かったです」

俳優・長尾謙杜のドキュメンタリー

 才蔵という役について「どれだけ成長しているか」が重要だとも話していた入江監督は、「映画のなかで、最初と最後の彼の顔が全然違うように映っていた」と自信を深めたといい、そこには監督なりの配慮もあった。「京都の助監督チームとも相談して、基本的に長尾くんのシーンは順番通りに撮ろうとスケジュールを組んだんです。だからこそ、しっかりと成長も刻めたと思うし、なにより京都のスタッフに揉まれながらやり切ったものが、最後の表情に出ていると思います。俳優・長尾謙杜のドキュメンタリーという側面も持つ作品になっていると思います」

 「ずっと時代劇を撮りたかった」という入江監督にとっても東映京都撮影所での経験は大きかった。「やっぱり京都のスタッフさんは厳しいですよ」と笑うと「時代劇に関しては世界一ノウハウを持っている。監督としてしっかり勉強していなかったら一瞬で見抜かれます。今回は企画から長い年月がかかっていた。その間に僕自身も勉強する時間があったので、何とか一緒に戦っていただけました。僕にとっても制作費の規模や東映の時代劇という、初めて尽くしのなか、本当にいろいろな挑戦をさせていただいた時間でした」としみじみ語っていた。(取材・文:磯部正和)

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