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柄本佑「光る君へ」の次なる一手はアニメ声優!人の心を動かすモノづくりの原点を語る

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年2月7日 7時15分

 「序盤にチャッカリが“優しさはいらねえよ。ここで生き抜くには邪魔なだけだ”って言うシーンがあるんです。自分としては自然にそうなった感じなんですけど、監督(日本語演出)が“ちょっと任侠っぽくなっていたところ、よかったですね”と面白がってくださって。最初は割とオリジナルの方のお芝居や声に引っ張られたりもしていたんですけど、監督がこうしてセリフ、役を突き詰めていくとおのずとオリジナルになるよねと。作品が面白いのは揺るぎないのだから、楽しんで、その場で生まれたことを大事にやっていこうと言ってくださって、それでだいぶ気が楽になった部分はあります」

 主人公のロズは、人間の生活をより快適にするために開発された最新型アシスト・ロボット。ひな鳥を“キラリ”と名付け育てるうちに、不思議なことに本来備わっていないはずの“心”が芽生えていく。柄本自身、俳優として与えられた使命以上の何かが生まれることで「思いがけない」体験をしたことがあるという。

 「撮影の中で想定外の何かが生まれたと感じることはあるけれど、完成した作品を観たらそうでもなかったっていうことの方が多いです。ただ、僕としては作り手の個人的な思いは作品に強い影響をもたらす気がしています。『野生の島のロズ』は、クリス・サンダース監督が娘さんの宿題を通じて原作に出会ったそうなんですが、とてもピュアで綺麗なアニメ作品に仕上がっていて。不特定多数ではなく“娘に見せたい”とか、個人的な思いが強ければ強いほど、観る人の心も動かされるのかもしれないですね。そういったことで言うと僕が主演をやらせていただいた『心の傷を癒すということ』というドラマがそうでした」

 2020年にNHKで放送された「心の傷を癒すということ」は、阪神・淡路大震災発生時、被災者の心のケアに奔走した若き精神科医・安克昌さんの自伝的ストーリー。自ら被災しながらも多くの被災者の声に耳を傾け寄り添い、志半ばで亡くなった安さんの歩みを追った本作は大きな反響を呼び、ギャラクシー賞や放送文化基金賞など数々の賞を受賞。2021年にはドラマを再編集した劇場版も公開された。

 「安先生の娘さんがドラマの撮影を手伝ってくださっていたんです。安先生が亡くなられた数日後に生まれた娘さんで、彼女はお父様の話は聞いていると思いますけど、一緒に過ごした時間はないんですよね。だからスタッフも監督も僕も、撮影現場にいた全員に、娘さんのために作品を撮っているような感覚が明確にありました。僕も彼女に生前のお父様を見せたいつもりで芝居をしていた。その思いはもちろん奥様に対してもありますが、娘さんは現場にいたので、彼女に観られている緊張感は監督も感じていたはずです。そうした作品が賞をいただいたりもしたので、個人的な思いというのは物づくりの原点であるべきなんじゃないのかとも思います。『野生の島のロズ』が観る人の胸を打つのも、きっとクリス・サンダース監督ご自身の個人的な思いがあるからなんじゃないかという気がしています」

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