「実は五股だった」たくさんの愛を育む男と、彼に恋した女心の春夏秋冬
ココロニプロロ / 2018年9月20日 20時55分
「実は五股だった」たくさんの愛を育む男と、彼に恋した女心の春夏秋冬
様々な女性に恋をして、同時進行でみんなに同じくらいの愛を配れる男性というのが稀にいます。
日本では悪者になるけれど、世界には一夫多妻制があるくらいなので、もしかしたら本能に基づいているのかもしれません。
日本にいながらにして、そんな男性を好きになってしまった女性は、常に涙が流れる寸前の状態ではないでしょうか。
季節のように移ろう女心は大丈夫?昔、まさにそんな男性と恋仲になったことがあります…。
■出会いの春
当時わたしは銀座のクラブでホステスをしていました。若い男性が来店することは滅多になかったのですが、その日は奇跡的に、眩(まばゆ)いばかりのルックスを持つ若い男性が、接待で偉そうな年配男性のグループに混ざっていました。
わたしは彼と離れた席に座っていたのですが、ひょんなことから会話をして、連絡先を交換することに。その場限りだと思い、連絡が来ても来なくてもどうでもいいと感じていました。
三日後、知らない番号から何回か着信があり、しつこいので折り返すと例の眩い彼でした。
その日から、毎日電話が来て話すのが日課になりました。そして、電話での会話はとても楽しかったのです。
■はじまりの夏
一ヶ月ほど経って、ようやく食事に行く予定がつきました。レストランに行き、楽しい会話をしてお酒も進んだのですが、彼は決して手を握ったりはしませんでした。
ただ、椅子を横にくっつけて楽しそうに無邪気に笑っていました。
眩しくて、まともに目を開けていられなかったわたし。思わずドキドキしてしまいます。
初々しいデートに、うっかり手が触れただけで、恥ずかしくて猛スピードで手を引っ込めてしまうほど。
何回かデートをして、やっと手をつなぎました。夏祭りの帰り、手のひらに「すき」と書かれ、赤面したのを思い出します。
後ろから抱きしめられ、「大好き」とロマンチックに言われたのに、恥ずかしさが勝り、ヘラヘラ笑うことしかできなかったり。ちょっと気持ち悪い女だったに違いありません。
■別れの秋
こんなにたくさんデートしていて、これからもっと楽しいはずと期待していた矢先でした。
秋のお祭りの帰り、「名古屋に転勤が決まった」。その一言は、別れの宣告なのだとすぐにわかりました。
秋なのに、まだ暑いからと気合を入れて着た浴衣が虚しく感じられます。
わたしは何も言えなかったのですが、コンビニで売れ残っていた花火を買い、最後に線香花火をすることになりました。
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