あなたは本当に彼を愛しているのか？「愛情」と「愛着」の違いを解説

長く付き合っていると、相手に対して抱いている感情が「愛情」なのか「愛着」なのか、わからなくなるときもありますよね。

「愛着」にすぎないと思って別れ、離れてみて「愛情」だったと気づいたり。「愛情」だと信じていたけど、結局は「愛着」でしかなくて、そのせいでいいご縁を逃してしまったり。

できれば、そんな後悔が残らないお付き合いをしたいもの。今回は「愛情」と「愛着」の違いを、心理学的に解き明かします。

■愛情と愛着
愛情は心的エネルギーで、その矛先が自分に向いているときは「自己愛」、自分以外の人だと「対象愛」です。恋愛は、互いの「対象愛」で結ばれた関係を表します。

一方「愛着」とはなんでしょうか？これは、特定のものや相手に対する情緒的な強い結びつきを指します。

例えば、あなたが子どもの頃から大切にしているおもちゃや本はありませんか？生活するうえで必要というわけではないけど、なんとなく捨てられない。どんなにボロボロになっても手放す気になれない。そういうものってありますよね。

思い出や成長の歴史、あるいは特定の相手など、「自分とのつながり」を感じて手元に置いておきたいと思う…この感情が「愛着」になります。

■愛着の類型
さて、この「愛着」における心理的結びつきには、その特性といくつかのパターンがあるんです。発達心理学者メアリー・D・エインスワース（Mary Dinsmore Salter Ainsworth）は、とある実験（ストレンジ・シチュエーション・メソッド）でそれを明らかにしました。

保育する人と幼児が一緒に実験部屋に入るところからスタートし、そこに見知らぬ人が入ってきて幼児と仲良くしようとしたり、保育する人が幼児を置いて部屋を出たり、また戻ってきたり、このような立ち回りを通して幼児の行動がどのように変化するかを観察したのです。

実験により、心理的に安心できる相手（安全基地）がいなくなったときの行動として、次の3つのパターンがあるとしました。

①保育者がいなくなれば不安になり、そばにいれば安心する
②保育者がそばにいようがいまいが、変わらずマイペース
③見知らぬ他者にも、席を外して戻ってきた保育者にも不安を抱き、警戒する

①はよくある安定的な「愛着」です。②③は珍しいタイプですが、恋愛においてよく見かけるのは①と③になります。

■恋愛における愛着行動とは？
愛着の類型を、恋愛に当てはめるとどうなるでしょうか。