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結婚できなかったらヤバい? わかっていても焦ってしまう…「適齢期」という呪い

ココロニプロロ / 2020年8月21日 18時45分

結婚できなかったらヤバい? わかっていても焦ってしまう…「適齢期」という呪い

結婚できなかったらヤバい?「適齢期」という呪い…【カレー沢薫 アクマの辞典】

漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!


■第64回 アクマの辞典 タ行

【テ】
➤「適齢期」(てきれいき)



今回のテーマはタ行から「適齢期」だ。

ちょっと前の話になるが、ネット上で32歳、腐女子の手記が話題になった。

腐女子、といってもこの場合AFF(アナルファックファンタジー)愛好家に限らず、全ての女がわかったり、わからなかったりする内容になっている。

簡単に説明すると、同年代の友達数名と久しぶりに会ったら、自分だけ、服装や言動が子どもじみていることに気付いて恥ずかしく思った、という内容である。

誰しも「自分だけが全裸」という夢を見て嫌な汗をかいた経験はあると思う、ないというなら帰れ。

だが「カジュアルな格好で来てくれ」と言われてTシャツにジーパンで行ったら、他は全員全裸で恥ずかしい思いをした、という経験は誰でもあるだろう。

このように、自分だけ毛色が違っていて恥ずかしい、という気持ちはわかる。
しかし、自分だけ「年相応の服装ではない」ことに落ち込む必要があるのかという点に関しては意見が割れている。

そもそも「年相応の格好」とはなんだ、という話だ。
「この年ならこうである」と断言できることなどほとんどない、ウンコですらいくつになっても漏らすのだ。
「いい年して」などという言葉を他人に投げつけるのは、将来ウンコを漏らした自分に石を投げるのと変わらないのである。

しかし、日本人は「この年齢までにこうするべき、こうあるべき」などと「適齢期」にこだわる傾向がある。

適齢期という言葉が使われるのはまず「結婚」だ。「女は○○才までに結婚したほうがいい」といった考えは未だに根強い。
このように結婚適齢期を定めるのは本当に良くない慣習だ。
それを決めてしまうことで、その年までに結婚しないといけないと思い込んだ女が、したくもない、もしくは「向いてない」結婚を焦ってしてしまったり、適齢期を過ぎた女が「適齢期を過ぎても結婚できなかった俺は何やってもダメ」と自分に呪いをかけてしまったりする。

つまり適齢期を定めることで「不安」になる人間がたくさん生まれてしまうのである。

不安や孤独というのは恐ろしいもので、それに取り憑かれると人間のIQはもれなく「2」になってしまい「おっ、こいつ今2だな」と気づいた悪い人間につけこまれやすくなるのだ。

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