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「母にとって私は恥ずかしい娘…」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第27回

ココロニプロロ / 2015年9月28日 11時45分

こるさんのお母さんは、こるさんに進学を望まず、進学しない結果として、こるさんは最良と言える結果を手に入れているのにもかかわらず(職場に対する不満がほとんどないなんて! 素晴らしい職場なのか、こるさんがすごくいい人なのか、どっちかだと思います。しかも勤続7年! たいしたものです)なんか、それじゃあ物足りない! もっと出世してる子もうらやましいし、出産する子もうらやましい! と、むちゃくちゃ言ってる印象です。

これっていわゆる「子供自慢・孫自慢」の世界の話なのではないでしょうか。こるさんのお母さんが、本当にどう思っているかはともかく、わかりやすいスペックで子供を自慢し合う会の中では、「頭が良くていい学校に行ってる」とか「もうすぐ子供を産む(すでに産んだ)」人たちが持ち上げられやすいですよね。特に女の場合、どんないいところに進学しようが就職しようが、「孫を産んでくれない子供は親不孝」みたいなの、ありますからね。私も田舎では、とてもここには書けないレベルのことを親戚に言われています(PC的配慮をすると一文字も書けないレベルのことです)。

「出世しそうな子供」や「孫を産みそうな子供」は「望ましいもの」なのでしょう。まぁ、理解はできますけど、ときおり「半径5メートル以内に近づいたら撃つからね」と言いたい気持ちに駆られます。

親子の間って、これまで愛情の深さばかりがクローズアップされてきましたし、そこには何ものにも代え難い絆がある、ということになっていましたが、私はこの思い込みこそが、諸悪の根源なのではないか、と思います。「親子の間は特別なんだ」という思いが、特別な甘えを許容し合う関係を作ってゆくのではないか、と思うんです。だって、子供に対して「就職してお金は入れろ。大学には行かせられない。でも自慢できる子供でいてほしい」なんて、無理難題もいいところの甘えでしょう? しかももう20代後半の立派な大人の人生なんて、親の人生とは切り離されてしかるべきなのに、まだそんなこと言ってるなんて。私だったら、高卒でちゃんと就職して、7年勤めて、会社に不満もなくうまく働いてる娘がいたら、ホッとします。いい子に育ったなぁ、と思うし、そのいい子がいい環境に恵まれて良かったなぁ、と思います。彼氏がいなくても、結婚してなくても、「この子の良さをちゃんとわかってくれる男とつきあってほしいなぁ。変な男にひっかかって、傷つけられたりしてほしくないなぁ」と思うでしょう。こるさんは、客観的に見て、そういう人です。十分すぎるほど親孝行な娘さんだと思います。

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