1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

手のひらサイズのアート…タロットの秘密に迫る!【鈴木砂羽&鏡リュウジ タロット美術館】

ココロニプロロ / 2020年11月8日 18時55分

ここ何年かでタロットへの興味が深まったという砂羽さんを前にして、鏡先生がまず手に取ったのは、日本のタロットカード。

『タロット占いの秘密』という書籍とセットになっているタロットです。



鏡先生:日本に、"妖しい"文化としてタロットが本格的に紹介されたのが、1960年代なんです。「妖しい」と言っても、疑似科学的、自己啓発的なスピリチュアルとはだいぶ違います。澁澤龍彦や種村季弘といった文学者がディレッタントな欧州文化の一つとして紹介していましたし、寺山修司もタロットに注目していました。

欧米ではカウンターカルチャーを標榜するロックミュージシャンがタロットに心酔していました。レッド・ツェッペリンがアルバムジャケットにタロットを使ったり、あのビートルズだって東洋思想と同じような感覚でタロットに関心を示していたりしたんですよね。

大人の消費社会に対して反骨を示す、「カッコイイ」文化としてのタロットがもう少しカジュアルになって日本に伝わりました。こんなふうにカード付きの本が販売され始めたのは1970年代。そして、1974年に発売された、この『タロット占いの秘密』という書籍が、記録的にヒットしたんです。数年前に版元さんに聞いたら、少なくとも80万部くらいは売れたんじゃないかとおっしゃっていました。

砂羽さん:80万部!! その数字にも驚きますけど、このカード、絵柄もいいですよね。線画だけなんですけど、シンプルに描かれていて、とてもわかりやすい絵柄ですね。複雑にいろいろと描き込まれていたり、カラフルだったりするよりも、むしろインスピレーションを得やすいタロットなんじゃないかなって思います。

鏡先生:こちらの書籍の著者である辛島宣夫さんは、画家としても活動しておられましたからアート的な活動の一環でもあったんでしょうね。そのセンスもあって一般の人たちに広がっていく入口になったんですよ。



日本に最初にタロットが伝わったのは、なんと、もう半世紀以上も前のこと! 日本国内だけでも、長い歴史をもっています。
異端の匂いのする “妖しい文化”として入ってきたタロットですが、カードに描かれる絵は、当時のアーティストたちの感性を刺激したんですね。タロットの一般化を後押しをしたのがアーティストだったとは、意外です!

絵本作家が描くタロットカード
最初のタロットカードの大ヒットからおよそ40年を経て、21世紀へ。2003年には、こんなタロットカードが発売されています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください