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どんな男性も「愛する人」には弱い!? タロットに隠された秘密

ココロニプロロ / 2020年11月22日 18時55分

砂羽さん:タロットに描かれた象徴的な絵柄を見て、人々は自分なりに意味を感じ取っていたんですか?

鏡先生:いいえ、自由なイマジネーションで意味を読み解くのではなく、記号的に絵に与えられた意味を読み取っていたんです。

砂羽さん:なるほど。当時はモチーフとして必要だったんですね。


ゲームとしてタロットを使うためには、誰もが迷いなく「この絵だ」とわかるものである必要があった。そこで寓意画が採用されたのでしょうか。



鏡先生:たとえば、このカードなんですけど…。

砂羽さん:これは、「愚者」ですよね。

鏡先生:そうです。こちらとほとんど同じ柄の「愚行」という絵を、このカードができるよりずっと前、初期ルネッサンスの時期にジョットという画家が描いているんです。

砂羽さん:そうなんですね。

鏡先生:ほかにも、ルネサンス期のマエストロたちが描いた絵が、タロットの絵柄の源流になっているというのもけっこうあるんですよ。

砂羽さん:いろんな文明や芸術の歴史が積み重なって、タロットは出来上がったんですね。あとは、宗教画を元にしていると、「こんな啓示があるよ」なんて説教するのにも、使いやすかったのかもしれませんね。



***ちょっと解説***
ジョット・ディ・ボンドーネ
中世後期に活躍したイタリア人画家で建築家。ゴシック絵画の巨匠と言われることも。
空間や人物をはじめて写実的に描写し、人間の感情を初めて表現するなど、革新的な絵画は、イタリア・ルネサンスの先駆けとなりました。
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■最初は愛! 強い順に並べると…
前回、タロットはトランプの元になったカードゲームとして誕生したというお話がありました。そのカードゲームの“切り札”のような役割として作られた大アルカナ。切り札ですから、“このカードが強い”“このカードは弱い”ということが明確でした。そして、その強さを決めるときには、こんなストーリーがあったそうです。



鏡先生:切り札だから、どれがどれよりも強いかという順番が、パッとわからなければいけないんですね。この発想のもとになったもののひとつとされるのが、当時流行していた「トリオンフィ」という詩(歌集)です。

砂羽さん:へぇ。

鏡先生:「トリオンフィ」とは、“勝利”とか“凱旋”って意味のラテン語で、書いたのは、フランチェスコ・ペトラルカという有名な詩人です。

砂羽さん:うんうん。

鏡先生:これは『平家物語』じゃないですが、無常を表現したストーリーになっています。擬人化された寓意画の象徴が順番に訪れ、後からやって来た存在が、前のものを打ち倒して凱旋の行進をするという内容なんですね。

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