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女優だからこそ感じる…タロットに秘められたストーリー

ココロニプロロ / 2020年11月29日 18時55分

砂羽さん:たとえば、悪役が登場してきたシーンのように見えたり、手前にカップがあって人物が去っていく姿だったり。それから、背景として描かれている太陽も舞台の書き割りに描いてありそうって思ったんです。「戦車」のカードの戦車も、動いていない雰囲気があって、いかにも舞台装置という印象なんですよね。


小アルカナ 剣 5
悪役の登場シーンっぽい



小アルカナ カップ 8
書き割りのセットのような太陽



大アルカナ 戦車
動いてなさそうな舞台装置的な戦車


***ちょっと解説***
「書き割り」とは、主に舞台で背景画として使われる大道具です。
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鏡先生:ほんとだ。たしかに! それは、女優さんじゃないと出てこない発想ですよね。


■ウエイト=スミス版、こぼれ話…

鏡先生:ウエイト=スミス版は、僕がタロットの勉強を始めた頃は、ライダー・タロットと呼ばれていました。これは、当時の出版社の名前なんです。先ほどもお話しした通り、監修者はアーサー・エドワード・ウエイト、画家はパメラ・コールマン・スミスですね。ただ、残念ながら当時は著作権や印税のシステムがなかったから、パメラは、経済的に恵まれないままこの世を去っていったんです。

砂羽さん:えぇ? こんなに有名なのに! 小アルカナを、ここまで描いたという偉業を成し遂げたのに! タロットを学ぼうという人なら、誰しも教科書として使うような絵を描き上げた方がそんな境遇に置かれていたなんて…。

鏡先生:そうなんですよね。大金持ちになっていいはずなのに…。でも、そのままでは、あまりにもパメラが気の毒じゃないですか。そこで、2009年頃、発刊100周年を記念して、「せめて、ウエイト=スミス版と呼ぼうよ」ということで、ようやくパメラの名前が日の目を見たんです。


19世紀、魔術結社とも影響し合って意味を深めていったタロット。タロット不朽の名作と呼ばれるようになったウエイト=スミス版が発刊されたのは、20世紀の入口でした。
次回からは、1970年代以降のタロットに迫ります!

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<タロットカード提供>
株式会社ヴィジョナリー・カンパニー

今回、鈴木砂羽さんと鏡リュウジ先生のおふたりにお話を伺ったのは、タロットやオラクルカードの出版・輸入販売を行う会社、ヴィジョナリー・カンパニーの事務所の一室です。様々なカードが壁一面に並ぶステキな空間からおふたりのトークを届けします。

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