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失敗は自己責任? 個人の責任はどこまで追及されるべきか…【石井ゆかりの幸福論】

ココロニプロロ / 2021年2月25日 18時45分

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大人気のライター・石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの幸福論」。 占いを通して、数々の人生や幸せのあり方を見つめてきた石井さん自身の言葉で紡がれる「幸福論」をお楽しみください。
前回に引き続き、第8のテーマ、自分の人生は「自分だけのもの」なのか。(後編)をお届けします。


■8.自分の人生は「自分だけのもの」なのか。(後編)
必要なものを、必要なだけ受けとる。リスクは最低限に抑える。いつも冷静に、自分の欲望に振り回されることなく、自分の損得をきちんと考えて行動する。
こうした態度は確かに、大人として望ましい生き方です。
ただ、ここには、ある視点が欠けています。
それは、人間を生かしている「生命力」の視点です。

幼い子が力の限り、長い時間泣き叫びます。
じっとしていることができず、常に走り回っている子供がいます。
若いときは何でも大笑いし、大興奮し、妄想を膨らませ、バカなことをたくさんしでかします。
大人になってからも突如、自分の燃えるような衝動を抑えられない瞬間が訪れます。
損をすると半ばわかっているのに自分の全てを賭けてしまう人がいます。
ちょっとした好奇心から、違法なものに手を出してしまう人がいます。
愛したものにのめり込み、没頭し、耽溺し、おぼれこんで生活が破綻する人もいます。
明日早起きしなければならないとわかっているのに、深夜になってもゲームをやめられない、本を閉じられない、ドラマを見ずにいられない、といった経験に、心当たりはないでしょうか。
カッとなって怒鳴り散らして後悔したり、勢いで告白してやっぱり後悔したり、職場で号泣して後悔したり、上司を殴りつけて後悔したり、といったことは、珍しいことではありますが、現実問題「よく見る光景」です。

こんなふうに、私たちは自分で思う以上に、限りなく激しいエネルギーを生きています。
若いときほどそれはむきだしに表れます。
一方、大人になってうまく制御できるようになったと思えた瞬間、びっくりするような内なる荒波に飲み込まれてしまうことも、よくあるのです。
人生の「出入り口」のリスクの問題は、私たちのこうした「生命力」に直結しています。なぜなら、外界との「出入り」が発生するのは、私たちが生きているためだからです。
死んだら、呼吸も、食事も、すべての「出入り」が止まります。
私たちは冷たくなり、もう、エネルギーの激しい燃焼と、それにともなう「出入り」は起こらないのです。

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