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「誰よりもカンペキな妻なのに愛されない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第28回

ココロニプロロ / 2015年10月22日 12時45分

兼業A子さんの詳細なご説明から伝わってくるのは「自分には非はない。精一杯やってる。なのに、なぜ!?」という悲鳴のようなお気持ちです。個人的には、奥さんが不妊治療をして二人の間の子供を作るのに、興味も示さない旦那さんというのは、いったいどういうものなのかよくわからないのですが、旦那さんにとって、この家庭生活は、楽しいのかな? というのも疑問に思えるのです。

旦那さんにとっては、もしかして「自分は積極的に欲しいわけじゃない子供を、そんなに無理して作る必要があるの?」という感じなのでしょうか。兼業A子さんが見ている現実は「自分のように努力してなくても愛されてる奥さんがいる」であるけれど、同じように、旦那さんが見ている現実は「生活費入れるだけで他のことはなんでもやってくれて、旦那を立ててくれる奥さんもいる」というのが「普通」だと思っている可能性もあると思います。

どっちが正しいか、という問題ではないですし、正しいから、これだけしているのだから、評価してくれ、自分を愛してくれ、という理屈は、残念ながら通らないのです。いや、評価だけなら私がします。間違いなく兼業A子さんはがんばっています。一人の人間が毎日、これだけできるなんてすごいことです。でも、疲れ切っている兼業A子さんが求めているものは、自分の正しさが証明されることなのでしょうか? 私には、それよりも、愛情や理解を得て心が満たされることを求めているのではないか、と思えます。

そして、兼業A子さんがここまでしていても、旦那さんもまた、心が満たされるような生活を送っているとは思えないのです。楽だとは思うけれど、心が通い合っていないような夫婦生活が、居心地いいんですかね……? 皮肉ではなく、もしかしたらそういうのが居心地いいのかもしれません。人を人とも思わなければ、気を遣う必要なんてないですから。旦那さんにとっては、「幸せな結婚生活」なんでしょうか。

生活を続けていく限り、旦那さんがなんらかのきっかけで考えを変える可能性や、兼業A子さんに心から感謝する可能性もありますが、その日を待つ間に兼業A子さんの心が壊れてしまうのが、私は心配です。また、待っていても必ず変わるとも思えないですし、「待つ」というのは結局、「他人に期待する」という賭けになってしまいます。

「あなたに好かれたくてここまでがんばってきた。でも、もう無理かもしれない」と正直に言ってほしいと思いますが、そんなに心を無防備にした状態でもし、亭主関白なきつい発言をされたらと思うと、それも心配で、積極的に勧めることができません。

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