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「おばさんとして生きていくことを受け入れられない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第30回

ココロニプロロ / 2015年12月17日 11時30分

そんな例を挙げられても難易度高けーわ、と思われるかもしれませんが、異性に関しては、特に諦める必要はないと思います。

自分の若さが失われていくこと、何もしなくてもピチピチしてた肌が変わっていくこと、気付ば1年に1キロずつ体重が増量していくことなどは、確かにテンションが下がることです。でも、落ち込むのは、純粋にその部分だけでいいと思うんですよね。

「女を捨てる」「女として終わってる」。私の嫌いな言葉です。女に生まれて、女であるがゆえの嫌な目にも遭いました。でも、女に生まれたからには、死ぬまで女なんです。途中で終わったり、捨てたりできるものではないんです。もちろんここでタイガーバームさんがおっしゃる「女」が、「性的に、もしくは恋愛の対象として見られる女」という意味であることはわかっていますし、人に評価されないと自信が持てない気持ちもよくわかります。ですが、誰からも何も言われないうちからこんなに落ち込まなくてもいいと思うし、誰かから何か言われたとしても、そんなものに落ち込んでいたら、そういう些細なことの積み重ねで、びっくりするくらい自分の人生って、台無しにされてしまいますよ。

こういうときに「フランスでは~」などと言っちゃう行為は「フランス逃げ」とか言われますけど、私は北欧ミステリをお勧めします。「ミレニアム」を筆頭に、マルティン・ベックの「笑う警官」(70年代の作品なのに、シリーズ全体で結婚観、育児観、恋愛観がまったく日本と違っていて驚かされます)、「特捜部Q」、「湿地」、「犯罪心理捜査官セバスチャン」……。さまざまな名作がありますが、年齢のいった男女が当たり前に恋愛もセックスもしているし、そうした中で女である苦しみに苛まれる女も出てきます。

北欧ではそうでも、日本ではそうじゃない。そうかもしれません。でも、人は生きていくために、自分を支えてくれる価値観を探し、見つけるべきだと私は思います。何かを盲信するのではなく、自分の中で練り上げて、作り上げていくべきなのだと。そのために、なんでもいいから違う価値観に触れてみてください。

私は39歳で、来年40歳です。タイガーバームさんと、そんなに変わらない年齢です。ごちゃごちゃ言われることも多いし、こういう仕事をしていると、外見だけでなく内面までめたくそに言われたりします。私は、そういうことで自分の人生を台無しにされたくないし、タイガーバームさんにも、自分の人生を他人からの評価で台無しにしてほしくないのです。さぁ、マドンナでも聴いて、元気を出してくださいね。

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