フィアット パンダ新車情報・購入ガイド パンダの名から、ダイレクトに連想させるスマイルフェイスの癒し系【レビュー:フィアット】
CORISM / 2013年7月11日 9時30分
四角いのに丸いユーニーくなデザイン
フィアット パンダの3代目モデルが日本でも発売された。パンダはフィアットの入門モデルとして独特の個性とポジショニングを持っていたが、2代目モデルが絶版になった後は、しばらくの空白期間が置かれていた。そして、2013年6月から改めてフィアットのラインナップに加えられた。
外観デザインは、従来からのパンダのイメージを継承するもので、ルーフレールやプロテクションモールなどがSUV的な感覚も表現している。
フィアット パンダのデザインモチーフとされたのは“スクワークル”で、スクエアとサークルを合成した言葉とのことだ。四角と丸とを合わせたようなというか、角の部分を面取りして丸くした四角いデザインが随所に採用されている。
外観デザイン以上に個性的なのがインテリアで、ドアトリムなどのシボ(シワのような模様)は、一般的なシボでも幾何学的なシボでもなく、小さな“PANDA”の文字が細かくびっしりと書かれている。これは新しいアイデアだ。
また、インスト中央の部分も何となく動物園のパンダを連想させるような白と黒のコントラストを生かしたデザイン処理がなされていて、可愛らしくて個性的なインテリアを作っている。
2代目パンダに比べるとやや大きくなったものの、コンパクトなハッチバック車という基本は変わらない。やや背の高い5ドアハッチボディで、全長が3655mmと4mを切り、全幅も日本の5ナンバー枠に対して余裕のある1645mmだが、1550mmという高めの全高によって室内にはまずまずの広さが確保されている。
ボディが小さいので絶対的な容量はさほどではないが、分割可倒式のリヤシートやアンダーボックスによってラゲッジスペースの使い勝手もまずまず。全体として使い勝手に優れたコンパクトカーであるのはこれまでと変わらない。
かつてのパンダにあった4×4やダブルサンルーフなどは発売時点では取り敢えずラインナップされていない。
改善されたとはいえ、万人向けではないエンジン&ミッション。そして、高めの価格設定
搭載エンジンはフィアット500などでおなじみのマルチエア。直列2気筒900ccの排気量ながら、インタークーラー付きターボの装着で、65kW/145N・mの動力性能を発生し、従来の1200ccエンジンに比べて大幅な性能アップが図られている。組み合わされるトランスミッションはデュアロジックと呼ぶATモード付きのシーケンシャル5速MTだ。
ツインエアのエンジンは動力性能はまずまずながら、フィアット500では騒音や振動が大きなことも特徴だった。フィアットでは、それが個性という形で開き直っているが、ほかのメーカーが同じようなエンジンを出したら、振動や騒音に対して不評がいっぱいだろう。フィアットだからこそ許される個性でもある。
ただ、今回のパンダでは500に比べると改良が進んでいるのが分かる。特に気になったアイドリング時の振動や騒音もけっこう抑えられているし、回転が上昇していけば気にならなくなるのは従来と同じだからだ。
デュアロジックが変速するときのトルク抜けも、これまでに比べると良くなった印象ではある。とはいえアクセルを踏み込んで行こうとすると、思ったほどには進まない感じが残っている。やはりトルク抜けに合わせてアクセルを抜くなどの慣れが必要だ。
高めの全高でアイポイントも高いので、開けた視界による運転姿勢がとれるほか、コーナーでも案外と落ち着いた挙動を示す。これは新しいスタビライザーの採用で、ロールを抑えるような設定にしているためだ。
フィアット パンダは、シンプルな1グレードだけの設定で価格は208万円。フィアット500のベースグレードが200万円を切っているので、装備の違いなどがあるにしても、パンダの価格設定はやや微妙。できれは200万円を切りたいところだった。
500とは異なる個性を求めるユーザーから一定の支持を得るのは間違いないが、500ほど強い個性を持つクルマではないので、たくさん売れるクルマにはなりそうにない。
フィアット パンダ価格、燃費、スペック等
■フィアット パンダ価格 208万円
代表グレード | フィアット パンダ イージー |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,655×1,645×1,550mm |
ホイールベース[mm] | 2,300mm |
トレッド前/後[mm] | 1,410/1,405mm |
車両重量[kg] | 1,070kg |
総排気量[cc] | 875cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 63 (85) / 5,500 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 145 (14.8) / 1,900 |
ミッション | 5速デュアロジックトランスミッション |
タイヤサイズ | 185/55R15 |
JC08モード燃費 | 18.4km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 2,080,000円 |
発売日 | 2013/6/1 |
レポート | 編集部 |
写真 | フィアット |
【関連記事】
- フィアット パンダ新車情報・購入ガイド 3代目は、スマイル フェイスの癒し系
- フィアット新車情報・購入ガイド一覧
- フィアット新車試乗評価一覧
- コンパクトカー新車情報一覧
- イタリア車新車情報一覧
- 【動画あり】新型マツダ アクセラ ハイブリッド(マツダ3ハイブリッド)新車情報・購入ガイド スカイアクティブ+ハイブリッド&ディーゼル、ガソリン、計3タイプの低燃費パワーユニットを用意! マツダ アクセラ、激戦Cセグメントに参戦! その評価は?
- 日産マーチ ニスモ(NISMO)新車情報・購入ガイド レーシングテクノロジーで走り楽しさ大幅アップ! さらに、専用チューン1.5Lエンジンに5MTのニスモSも登場!
- 2013年9月上旬発売開始!? 新型ホンダ フィット ハイブリッドに搭載される新ハイブリッド技術公開! トヨタ アクアの燃費35.4km/Lを越えるのか? フィット スポーツ・ハイブリッドi-DCD(インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)を評価する
- 日産ノート新車情報試乗評価・購入ガイド一覧 プロの評価と燃費、クルマ好き、主婦、女子高生まで一般ユーザーの試乗レポートまで満載! 日産ノートのすべてが分かる!
この記事に関連するニュース
-
【アコードe:HEV vs シビックe:HEV】スペック比較…伝統的な2モデル、違いはどこに?
レスポンス / 2024年5月14日 12時30分
-
【お前クラウン…なのか?】クラウンセダン新型VS旧型…どっちがお買い得? 価格・性能大公開!
まいどなニュース / 2024年5月3日 11時0分
-
バイク名車列伝 第9回 ホンダのレーサーレプリカ「VFR400」に今から乗るなら? バイク王に聞く
マイナビニュース / 2024年5月2日 11時30分
-
ホンダ ヴェゼル新車情報・購入ガイド 失敗は許されないマイナーチェンジ
CORISM / 2024年4月28日 11時56分
-
マツダ 新型CX-80の予想価格は500万円〜! サイズや内装も合わせて解説
MōTA / 2024年4月23日 18時30分
ランキング
-
1イオンの「幸せの黄色いレシート」キャンペーン。レシートを使って寄付したいけど、不良品を「返品」できなくなるの?「寄附」と「レシート保管」を両立させる方法を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月19日 5時10分
-
2健康サプリを「毎月3万円」購入する80代の母。本人は「健康のため」と言いますが、解約させるべき?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月19日 3時0分
-
3コロナ禍で売上げ95%減となった「地球の歩き方」 Ⅴ字回復遂げ新分野に挑戦 岩塚製菓のおつまみスティックとコラボ
食品新聞 / 2024年5月19日 20時14分
-
430年以上塩漬け「阿蘇ソフトの村」用地、投資額の38分の1で県売却へ…TSMC進出に伴う需要期待
読売新聞 / 2024年5月20日 6時51分
-
5「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月17日 11時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください