「十角館の殺人」主演に抜擢。19歳の超新星・奥智哉が共演した青木崇高を“特別に感じた”理由
CREA WEB / 2024年4月5日 17時0分
「実写化不可能」とされてきた、ミステリー界の巨匠・綾辻行人原作による『十角館の殺人』が映像化。
難事件の真相を暴く主人公・江南(かわみなみ)に抜擢された奥 智哉が、「仮面ライダーリバイス」や「みなと商事コインランドリー」など、自身の俳優としてのキャリアを振り返ります。
●父親が事務所に履歴書を送る
――幼い頃に空手を習われていた奥さんですが、当時の夢は?
空手は四つ上の兄がやっていたこともあって、小学1年から6年まで、6年間習っていました。ただ、空手のチャンピオンになりたいという気持ちはなかったです。
幼稚園のときに、「パティシエになりたい」と言っていた覚えがあります。春巻きの皮を使った焼かないクレープを作ったりするのは好きでしたけれど、特に甘い物好きとかではなくて、なんとなく言っていたような気がします。
――そして、映画『るろうに剣心』との出会いになるわけですね。
小学6年生のときに、父親に「将来何になりたいの?」に聞かれたのですが、たまたまテレビで放送されていた『るろうに剣心』の番宣を見ながら、冗談半分で「自分も役者さんみたいなことできないのかな?」みたいなことを言ったんです。
そうしたら、いつの間にか父親が履歴書を今の事務所(アミューズ)に送っていたようで、その1~2ヶ月後ぐらいに事務所から連絡が来ました。
――あまりの急展開に、戸惑いませんでしたか?
「もし受かったら、お仕事を頑張ってみようかな?」「別に受からなかったら、中学で部活頑張ろうかな?」程度の気持ちだったんですが、中学の3年間はレッスンを中心にした活動でした。
その合間に、いろんなオーディションを受けては落ち続け、やっと受かったのが、蜷川実花監督のドラマ「Followers」でした。
●17歳で、転機となった「仮面ライダーリバイス」に出演
――いきなり蜷川組の現場はいかがでしたか?
初めての映像作品で、右も左も何も分からない状態だったこともあって、そのときは蜷川組の“特殊さ”に気づけなかったんですが、今思い返せば、煌びやかなセットだったり、小道具だったり、ハイブランドのファッションだったり、ちょっと凄い世界だったと思いますね。
あとは監督の明るい人柄による現場の空気感もありましたし、夏木マリさんや中谷美紀さん、笠松将さんなど、すごいメンツに囲まれて、仕事をしていたことが信じられないですね。
――21~22年「仮面ライダーリバイス」で牛島光 / 仮面ライダーオーバーデモンズに抜擢されます。撮影の1年間で学んだことがあれば、教えてください。
最初「僕の役は、変身しないかもしれない」という話もあったんですが、最終的には変身させてもらえることになって、自分でポーズを考えたり、なかなかできない貴重な体験をさせていただきました。
現場でいちばん強く感じたのは、スタッフさんと役者のなかでの信頼感みたいなものが強く、当時17歳だった僕も分け隔てなく、同じ作品を作る仲間として扱ってくださったこと。あと、「とにかく謙虚に、とにかく真面目に」というところを徹底して学ばせていただきました。
――ということは、奥さん自身にとって転機となった作品は、やはり「仮面ライダーリバイス」ですか?
そうですね。いろんなことを学ばせていただいた現場でもありますし、「リバイス」での演技が後の「大奥」のオーディションに呼んでいただけるところに繋がったり、その「大奥」の演技が今回の「十角館の殺人」のお話に繋がっているので、すべては「リバイス」からという気持ちです。
●人生でいちばん緊張した「ラストマン」のクランクイン
――その後、BLコミックをドラマ化した「みなと商事コインランドリー」(22年・23年)に出演。続編でも演じられた英明日香というキャラについては?
牛島光からの振り幅は、かなり大きかったと思いますね。初めてのBL作品でしたが、「好きになった人がたまたま同性だった」だけなので、普通にラブコメをやる意識で演じました。それでファンの方々が応援してくださって、「シーズン2」に繋がったのは、とにかく嬉しかったですし、ビックリしました。有難いことに、急激にファンレターの数が増えたんです。具体的に言うと、「ライダー」のときの倍以上でした。
――23年に放送された「大奥(3代・徳川家光×万里小路有功 編)」で演じられた小僧・玉栄の闇堕ちも話題になりました。
初めての時代劇での所作と京都弁という壁が二つ重なったこともあってか、自分が想定していたお芝居が上手くできなくて、現場ではかなり苦戦してしまいました。とにかく京都弁のイントネーションが難しかったですが、もっともっと役に入り込むことができれば、さらに玉栄の忠誠心や尊敬心を引き出せたと思うし、彼に寄り添えた気がして悔しいです。
――そして、日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」では捜査一課メンバー最年少の長谷川役を演じ、事務所の大先輩である福山雅治さん、大泉洋さんらと共演されました。
「大奥」のクランクインは恐怖が強かったんですが、「ラストマン」のクランクインは人生でいちばん緊張しました。360度どこを見ても、主演をされている俳優さんしかいないので、この場所に自分がいていいか分からないし、「この人たちに、どこまで喰らいつけるか?」という不安しかなかったです。
でも、いざ現場に入ってみると、みなさんとても優しい方ばかりで、アットホームな雰囲気でした。福山さんや大泉さんはもちろん、永瀬廉さんもラノベ原作のマンガ「オーバーロード」好きという共通点から、いろいろお世話になりましたし、基本グルメの話をされている吉田羊さんや松尾諭さんにも可愛がってもらいました(笑)。
●憧れの青木崇高にも助けられた主演ドラマ
――二宮和也さん演じる父の帰国を待つ長男を演じた、22年公開の『ラーゲリより愛を込めて』の現場も大きな経験になったかと思います。
オーディションを受けたときは、まったく手応えがなかったのですが、まさかの合格で、瀬々敬久監督の演出を受けるという、とても貴重な経験をさせていただきました。
シベリアにいるお父さんを待ち続ける4人兄妹の長男で、お母さんも支えている設定だったのですが、当時の自分はお芝居に芯がないというか、今観返すと恥ずかしい、どこかふがいないお芝居をしてしまったなと反省しています。
――そして、今回主演を務められたドラマ、Huluオリジナル「十角館の殺人」。綾辻行人さんによる人気小説の江南(かわみなみ)孝明を演じるプレッシャーは?
僕が肩に力が入っていたこともあり、内片輝監督からは「とにかく、楽しんでください」と、よく声をかけられました。さらに、共演の青木崇高さんにも助けられました。青木さんは『るろうに剣心』で左之助役を演じられていた方なので、僕の中では、どこか特別な存在だったんです。だから、最初にお会いしたときの興奮も忘れられません。
――しかも、ミステリ研究会の元メンバーだけに、膨大なセリフ量や早口キャラというところに苦労されたのでは?
それに関しては、とにかく練習しかありませんでした。事前に青木さんと読み合わせをさせていただき、待ち時間などを大切にしました。とはいえ、練習してきたものを、本番でそのままやるのではなく、その場で青木さんが投げてきたパスをその場で返すというところを大事にしました。監督からも、何度も「とにかくフレッシュに!」っていう言葉をかけていただいたのですが、そこも大事に演じさせてもらいました。
●何にでも挑戦する俳優でいたい
――「仮面ライダーリバイス」「みなと商事コインランドリー」などを経て、本作では、どんな新しい奥さんが見られると思いますか?
これまで以上に、リアルで自然体なお芝居をしている自分が見られると思います。内片監督から「相手のお芝居を受けて、素直に反応してほしい」と、言語化して演出をしていただいたことが大きいと思います。
今までは、どこか感覚的にやっていた部分もあったと思いますが、今回監督に噛み砕いて教えてもらったことで、やっと腑に落ちてお芝居ができた部分があって。そういった面で言うと、かなり自然体な自分が映像として映っているんじゃないかなとは思います。
――将来の展望や希望、憧れの俳優さんについて教えてください。
自分の中で、どこか食わず嫌いだったり、甘いところがあるので、とにかく何にでも挑戦する俳優でいたいです。そして、常に努力することを怠らず、忘れずにやっていきたいです。
憧れているのは、山田孝之さんや佐藤健さん。あとは、『孤狼の血』の松坂桃李さんのお芝居が好きなので、憧れています。
奥 智哉(おく・ともや)
2004年7月18日生まれ。神奈川県出身。00年、配信ドラマ「FOLLOWERS」で俳優デビュー。その後、21年「仮面ライダーリバイス」にて牛島光/仮面ライダーオーバーデモンズ役に抜擢され、「みなと商事コインランドリー」や『ラーゲリより愛を込めて』などに出演。4月24日スタートのドラマ「君とゆきて咲く~新選組青春録~」でも、前田拳太郎とともにW主演を務める。
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
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