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廃棄素材が香り高きクラフトジンに。新時代を担う世界初の再生型蒸留所【影山優佳と日本の魅力を巡る】

CREA WEB / 2024年5月18日 11時0分


「エシカルだけどおいしい」ではなく、「おいしいと思ったらエシカルだった」をブランドコンセプトに掲げる「東京リバーサイド蒸溜所」。さまざまな素材を元に香り高いスピリッツを生み出すこの蒸留所はさながらアーティストたちが新しい音楽を生み出す“スタジオ”のよう。

 人を惹きつける“重力(GRAVITY)”に満ちた場所を俳優の影山優佳さんが巡る連載「NIPPON GRAVITY」。

 第3回の行き先は江戸の時代、天領地から集めたお米を貯蔵する御米蔵があったことから名付けられた蔵前。最近ではカフェや雑貨店など個性的な店が軒を連ね、注目を集めています。この蔵前で、廃棄予定の酒粕などを活用するなど、新しいジンを生み出す挑戦を続ける蒸留所があります。

 酒好きだけでなく、多くの本物を求める人を魅了する「東京リバーサイド蒸溜所」に伺いました。


世界にはまだまだ眠っている素晴らしい素材がある


スタイリッシュな外観も魅力的。1階はストアになっており、ジントニックを持ち帰りで購入することもできる。

「東京リバーサイド蒸溜所」は「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」を目指し、廃棄素材などを使用したクラフトジンの生産を行う「エシカル・スピリッツ株式会社」が2020年に開いた世界初の再生型蒸留所。

「実は私、以前知り合いからこちらのジンをいただいたことがあって。その時に華やかな香りが印象的だったのもそうなのですが、廃棄物などを素材にこんな素晴らしいジンが造られているというのにも驚いたことを覚えています」(影山さん)

 なぜ、通常の素材ではなく、廃棄素材を使用しているのか? その質問にエシカル・スピリッツ株式会社代表取締役CEOの小野 力さんはこともなげに答えてくれました。


エシカル・スピリッツ株式会社代表取締役CEOの小野 力さん。

「私たちの会社の大本には、世の中で“今は”認められていないものにも、まだまだ隠れた才能や魅力があるという理念があるんです。例えば日本酒を造る過程で出てくる酒粕。近年では、多くが廃棄処分されてしまう現実がありますが、その酒粕から造った酒粕焼酎を原料にすれば、ジンを造ることができるんじゃないか? そうした問いから始まり、試行錯誤の結果生まれたジン『LAST(ラスト)』は素晴らしいものに仕上がりました。この経験を元に、他にもまだ眠っている素材はたくさんあるのではないかと考え、その立脚点から生まれたのが、可能性を引き出す蒸留所、再生型蒸留所なんです」

未来への可能性を感じる新時代のジン


店頭にはいくつものジンと、香りを体験するためのテスターが。

「本来は廃棄されてしまうはずだった素材が、こうしてジャパニーズクラフトジンとして新たな生命となる。すごく未来への可能性を感じる話ですね。そしたらあの『REVIVE(リバイブ)』というジンも何かの廃棄素材から造られているんですか?」(影山さん)


一番左が「REVIVE from BEER」。一番右が日本酒「忍者」をリユースした「REVIVE from NINJA」。

「そうです。『LAST』に次ぐ僕たちのブランドがこの『REVIVE』で、例えばこの『REVIVE from BEER』は飲みごろを過ぎて、廃棄される予定だったビールを原料にしています。コロナ禍の時に出荷されるはずだったビールがただ廃棄されるのは勿体ないということで、買わせていただいて。今ではアイコンのひとつになっています」(小野さん)

 店頭では、ジンが販売されているだけでなく、アロマストーンとテスターが設置されており、それぞれのジンの香りを実際に体験することができます。


常時7種類ほどのテスターが用意されている。

影山さんはカカオの皮を使ったジン「CACAO ÉTHIQUE」 の香りが一番お気に入りでした。

「こうして香りを購入前に体験できるのはいいですね。ビールを使ったジンはきちんと麦の香りを感じるような気がします。こんなに違いがあるとは思いませんでした。私は少しドライめな香りが好きかも。実際に飲んでみたくなりますね」(影山さん)

ジンは自由で、無限の可能性に満ちたお酒


元々は印刷工場だったというビルをリノベーションした蒸留所。ストアの奥には立派な蒸留器が鎮座している。

 1階のストアの奥には実際にジンを造っている蒸留所が。月に一度開催される見学ツアーの時にしか入ることのできない蒸留所ですが、今回は特別に見学させてもらいました。

「先ほどこちらのジンの香りをいくつか味わわせていただいたのですが、こんなにも多様なジンを東京の蔵前で造っているんですね」(影山さん)

「『LAST』が廃棄される酒粕を元に造られているというのは先ほど説明しましたが、私たちはそのような取り組みを全国の酒蔵さんと協同して行い、課題解決に取り組んでいるんです。いくつもの地域の中立的な場所として、東京、そしてもともと職人の街でもあった蔵前がふさわしいと思いこの場所を選びました」(小野さん)


ジンの製造工程について蒸留器を見ながら説明を受ける。

「先ほど影山さんもジンのバリエーションの豊富さに驚いていましたが、それこそがジンの魅力なんです。ジンは簡単に言ってしまえば、ベースのスピリッツにジュニパーベリーと呼ばれるセイヨウネズという木の実で香りづけしたお酒。それだけが条件なので、すごく自由なお酒なんですよ。だから工夫を凝らすことで、多様な香りを生み出すことができる」(小野さん)


職人が実際に香りを確認し、仕上がりを判断すると聞いて「繊細な作業が求められるんですね」と感心する影山さん。

 東京リバーサイド蒸溜所ではハイブリッド蒸留器を用い、香りの素材や、寝かせ方、アルコール度数など、さまざまな試行錯誤を重ね、日々新しいジンを生み出しているという。

「さまざまな香りをまとって、いろんな表情を見せてくれる。しかもそれが廃棄素材由来。東京リバーサイド蒸溜所のクラフトジンってすごくエシカルだし、ダイバーシティを体現しているよう。新時代のお酒という感じがしますね」(影山さん)


「実際に味わいたい!」と語る影山さん。

取材協力 東京リバーサイド蒸溜所

所在地 東京都台東区蔵前3丁目9-3
https://ethicalspirits.jp/

影山優佳(かげやま・ゆうか)

2001年生まれ、東京都出身。23年7月にアイドルグループ「日向坂46」を卒業し、俳優・タレントとして多方面に活躍中。21年には『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』で映画初出演。サッカー通としても知られ、「ABEMAスポーツタイム」のスペシャルサポーターも務める。「ハコビヤ」「春になったら」などドラマ出演も多数。2024年5月28日~6月16日の期間、東京芸術劇場プレイハウスで上演される舞台『未来少年コナン』にてヒロイン・ラナ役を務める。

『未来少年コナン』


未来少年コナン

日時 2024年5月28日(火)~6月16日(日)
会場 東京芸術劇場 プレイハウス
所在地 東京都豊島区西池袋1-8-1
出演者 コナン:加藤清史郎
ラナ:影山優佳
ジムシー:成河
モンスリー:門脇 麦
ダイス:宮尾俊太郎
ルーケほか:岡野一平
レプカ:今井朋彦
おじい・ラオ博士:椎名桔平
チケット料金、時間の詳細はHPをご確認ください

舞台『未来少年コナン』公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/fbconan2024/

文=CREA編集部
写真=佐藤 亘

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