新年はやっぱり和菓子が食べたい! 老舗和菓子屋の名物「最中」5選 スイーツなかの厳選。新年の手土産に――2024年BEST記事
CREA WEB / 2025年1月3日 11時0分
2024年にCREA WEBで反響の大きかった記事を発表します。グルメ部門の第3位は、こちら!(初公開日 2024年1月7日 ※記事内の情報は当時のものです)
よろスィーツ! スイーツなかのです。
新年はやっぱり和菓子が食べたい。そこで、今回は東京の老舗和菓子屋さんの名物最中をご紹介。予約必須の名物から知る人ぞ知る逸品まで。
新年の手土産としてもおすすめです。
いつの時代も愛される東京名物
◆空也
銀座・並木通りにある「空也」。明治17年創業の老舗で、代表菓子「空也もなか」は言わずと知れた東京を代表する最中です。
ぼくの祖父も空也もなかの大ファンでしたが、どの時代も人を虜にする、この名作もなかには、積み重ねた歴史が詰まっています。
小ぶりで愛しいひょうたん型のシルエットは、こんがりと焼き上がった焦がし皮。パリッとした食感で音まで美味しく、初めて食べたときは、もなかってこんなに香ばしいのかと驚きました。
中に包むのは、つぶし餡。なめらかさもある粒あんで、空也のあんこは何度でも食べたくなる美味しさ。小豆の味わいを堪能しつつ、香ばしい皮とあんこの相性も素晴らスィーツ!
食べると長く愛されるのがよく分かる、実直な美味しさです。
空也
所在地 東京都中央区銀座6-7-19
電話番号 03-3571-3304
Instagram @kuya.tokyo
※配送なし、通販なし、現金のみ
柔らかな皮とこし餡の一体感
◆さゝま
神保町にある「さゝま」。昭和6年創業の和菓子屋で、お茶席用のお菓子を手がけるお店としても知られています。
吉本の劇場がお店の近くにあったこともあり、個人的にも馴染みのあるお店です。名物「松葉最中」は、四角の形をしていますが、これは三味線の胴を模したもので、松葉の紋が刻印されているのも特徴。
口にすると、こんなに柔らかい最中の皮があるなんてと、一度食べたら忘れられない食感。中に入っているのはこし餡で、このあんこがまた絶品。
しっかりと甘さはありつつも、さらっとした後味の良さがあり、全くしつこさがない。ほろっと崩れる繊細な皮と、あんこのねっとりとした舌触りが心地良く、一体感のある味わいがナイスィーツ! 何度でも食べたい、上品な甘さに包まれる最中です。
御菓子処 さゝま
所在地 東京都千代田区神田神保町1-23
電話番号 03-3294-0978
http://www.sasama.co.jp/
胡麻の香りに包まれる逸品
◆日本橋 長門
日本橋・さくら通りにある「日本橋 長門」。300年近い歴史を持ち、古くは徳川将軍家にも献上していた老舗です。名物の「久寿もち」や「松風」をはじめ、煌びやかな半生菓子など、お店には数多くの和菓子が並びます。
こちらの「葵最中」で注目してほしいのが、刻印された双葉葵の紋。これは徳川家御用商人にしか使うことが許されていないもので、その見た目からもお店の歩んできた歴史が伝わってきます。
そして、皮に胡麻が練り込まれているのも珍しく、他ではなかなか出会えないつくり。ふわっと包まれる胡麻の香りが心地良く、粒あんの甘さに寄り添う上品な味わいがナイスィーツ!
薄型でありながら、あんこがぎゅっと詰まっているのも嬉しいところ。老舗が手がける知る人ぞ知る最中です。
江戸風御菓子司 日本橋 長門
所在地 東京都中央区日本橋3-1-3
電話番号 03-3271-8662
http://nagato.ne.jp/
あの文豪が名付けた絶品最中
◆芝神明 榮太樓
芝大神宮の側にある「芝神明 榮太樓」。明治18年創業、日本橋の榮太樓總本鋪からのれん分けされた老舗和菓子屋です。
看板商品は、明治時代から手がける「江の嶋最中」で、文豪・尾崎紅葉が名付け親というエピソードも有名です。貝殻を模った見た目もユニークで、一つ一つ並べたくなるような可愛さ。しかも、それぞれ違ったあんこが入っているのも嬉しく、どの貝を選ぼうか考える時間も楽しい。
アワビは粒餡、ホタテはこし餡、カキは白餡、ハマグリは柚子餡、アカガイは胡麻餡。5つのこだわりの餡は舌触りも良く、香ばしい皮との相性がナイスィーツ!
ひと口ほどの小ぶりなサイズなので、食べ比べしながら味わうのもおすすめ。遊び心と美味しさが詰まった、心掴まれる最中です。
芝神明 榮太樓
所在地 東京都港区芝大門1-4-14
電話番号 03-3431-2211
https://www.shiba-eitaro.com/
誰しもが虜になる藤色の餡
◆青柳正家
向島にある「青柳正家」。昭和23年創業の和菓子屋で、一條実孝公によって「正家」の名を賜った由緒正しきお店です。名物の栗羊羹と並び、長く愛されるのが「菊最中」。あんこが重なった大胆なフォルムは、一度見たら忘れられません。
ヘラを使ってあんこをこの形にするのは相当難しいそうで、何年もかけて習得していく、まさに職人技です。これほどボリュームがあると、甘すぎるのではと思うかもしれないけど、このこし餡がいくらでも食べられると思うくらい絶品。
甘さも舌触りも絶妙で、手間ひまかけて仕上げる藤色の餡は、こし餡の概念が変わるほど心に残る美味しさ。皮も厚みがあって存在感が強く、あんことのバランスも素晴らスィーツ!
菊の花を模した上品な佇まいも、大切な贈り物にぴったりです。
菓匠 青柳正家
所在地 東京都墨田区向島2-15-9
電話番号 03-3622-0028
https://www.aoyagiseike.jp/
スイーツなかの
東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、吉本興業に所属。子どもの頃から好きだったお菓子を独学で勉強し、唯一無二のスイーツ芸人として活動をはじめる。10年間吉本で活動後、特注のパンケーキハットをトレードマークに幅広く活躍中。老舗からコンビニまで多ジャンルの和洋菓子を一万種類以上食べ歩き、その確かな知識と情報で「林先生の初耳学」「メレンゲの気持ち」「スクール革命」など多数のテレビ番組に出演。西武渋谷店では自ら企画した催事「奥渋ギフト」を開催、行政と取り組んだ監修商品を発売するなど、幅広いシーンで活動中。
Instagram @yorosweets
X(Twitter) @yorosweets
文=スイーツなかの
撮影=深野未季
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