北朝鮮の空約束となった「12月に外国人観光客受け入れ再開」
デイリーNKジャパン / 2024年12月28日 14時24分
コロナ禍で閉ざされた北朝鮮の国境は、依然として開かれていない。
中国で、主に西洋からの観光客を相手に北朝鮮ツアーを販売してきたヤング・パイオニア・ツアーズ(YPT)は17日、ウェブサイトに次のようなお知らせを出した。
YPTは、北朝鮮のパートナーからの勧告に基づき、2025年と2026年の北朝鮮へのグループツアーを中止しました。この決定は、国境がすべての観光客に対して再開された場合に、将来のツアーで計画しているいくつかのエキサイティングなアップデートを考慮したものです。旅行日程は変更されない見込みですが、旅程には大幅な変更が加えられる見通しです。(以下略)
別の大手旅行会社のコリョ・ツアーズは今年8月、ウェブサイトで、12月にすべての国籍者に対して北朝鮮の国境が開放されるとの情報を掲載した。しかし、今のところ、外国人観光客の受け入れは再開されていない。
(参考記事:北朝鮮、12月から外国人観光客の受け入れ再開へ)
一方、ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、朝鮮国際旅行社が中国国内の旅行会社に出して通知の内容を報じた。
北朝鮮国家観光局が発効した文書によると、北朝鮮は2025年3月1日に中国人観光客の受け入れを正式に開始するとのこと。旅行形態は依然団体ツアーで、個人旅行は認められない。北朝鮮への入国者数は1日300人。
コロナ前には中国人観光客が殺到、その数は1日に30万人に達し、一時は受け入れを制限するほどオーバーツーリズムの様相を呈していた。1日の入国者数を300人に限定するのは、当時の状況を念頭に置き、段階的に人数を増やすことを考えているためだろう。
(参考記事:金正恩の「トラウマ」が阻む、北朝鮮観光の本格再開)
金正恩総書記は今年7月、中国との国境に接する三池淵(サムジヨン)を訪れた際、中国との国境に接する胞胎(ポテ)地区に大規模スキーリゾートを建設し、無頭峰(ムドゥボン)地区に観光鉄道やロープウェイも建設、空港を改修するなどの方針を示したと、国営の朝鮮中央通信が報じた。
金正恩氏は、「世界的な名山である白頭山観光文化地区を立派にうち建ててわが人民と世界各国の人々がよく訪ねる所につくり、観光業が地方発展の重要な原動力になるようにすべきだ」と述べた。つまり、外国人観光客の受け入れを積極的に行う意思があるということだ。
(参考記事:実は近くて普通に行けるおすすめ北朝鮮ツアー・北朝鮮旅行)
国際社会の経済制裁を受けている北朝鮮にとって、観光業は制裁に違反することのない、有望な産業だ。しかし、今の段階では、ロシア人観光客の限定的な受け入れにとどまっている。受け入れの遅れの理由は明らかになっていない。
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