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「ロシアへの追加派兵、すでに決定」北朝鮮軍幹部インタビュー

デイリーNKジャパン / 2025年1月15日 11時6分

ウクライナが公開した北朝鮮軍兵士とされる映像(デイリーNK)

ウクライナのゼレンスキー大統領は今月4日に行った演説で、派兵された北朝鮮兵の3分の1が戦死、または負傷し、1個大隊が全滅したと明らかにした。なお、ウクライナ、米国、韓国の情報機関は、全体の派兵規模を1万人から1万2000人と見ている。

兵力不足に悩むロシアにとって、北朝鮮の派兵は大きな力になっているが、その一方で弊害も大きい。フレンドリーファイア、つまり味方に対する誤射が相次いでいるのだ。

(参考記事:【写真】敵よりロシア軍を「火の海」にする北朝鮮のトンデモ兵器

昨年12月には、北朝鮮兵士が、ロシア・チェチェン共和国から派遣された兵士8人を攻撃し、死亡させる「事故」が起きた。また、ロシア兵3人を射殺したことも報じられた。

原因は定かでないが、その一つとして「言葉の壁」があったのではないかと考えられている。(参考記事:敵でなくロシア兵を「射殺」する、北朝鮮軍の混乱と腐敗

韓国デイリーNKは最近、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の幹部A氏との接触に成功し、戦死者への処遇を含めた方針についてインタビューを行った。その中には、さらなる派兵時にロシア語通訳を2倍に増やすとする内容もあった。

以下はA氏との一問一答だ。

ーウクライナ戦線に投入された北朝鮮兵士らが戦死していることを北朝鮮当局も認識している?

A氏(以下A):国はこの状態についてすでに報告を受けており、軍の指揮系統を通じて正常に伝達、報告されている。関連情報は、軍から随時、最高司令部と中央軍事委員会に月1回定期的に報告され、報告ラインによって徹底的に管理されている。

ー戦死の事実が北朝鮮軍内部に広まっている?

A:暴風軍団の現地部隊や実際にロシアに派遣された兵士が生活していた区分隊では、個人的な動揺や噂がある可能性があると予想して、教養事業(思想教育)を行っている。

ー戦死の事実が広がると、内部で動揺が起きると見られるが、北朝鮮当局は動揺の可能性についてどのように考えており、その対策は?

A:この問題により内部で動揺が起きているという公式的な行政的、政治的、保衛部的な総合報告はまだない。われわれの原則と目標は変わらず、これ(戦争)を遂行するためにあらゆる措置を講じている。全群衆の心理的安定のために、戦争が終結すれば、内部、専門分野、付帯、国と、3~4段階に分けて、指定された場所で愛国心を喚起する関係者行事を計画しており、政治事業と宣伝教養事業を活用して状況をコントロールするつもりだ。

(参考記事:思想教育で国民に真実を教えてしまう、金正恩の「オウンゴール」

ー戦死者の処理は?

A:彼らの遺体は絶対に返却しないのが原則で、遺骨は火葬されることになった。(しかし)戦争の状況によっては、迅速な処理が難しい場合もある。

(編集部注:北朝鮮国内においても、病死した兵士の遺体を遺族に返還せず、荼毘に付してから遺骨のみを返還するケースが報告されている。教化所(刑務所)の受刑者の場合も同様だが、遺骨すら返還されず、亡くなってから数年経って遺族に死亡通知だけを届けたケースもある。これには感染症の拡大防止、事件、事故の隠蔽など様々な理由がある)

(参考記事:人知れず焼かれた6人の兵士…北朝鮮軍「懲罰施設」のおぞましい実態

ー身分を偽装し、戦死者の顔を(焼いて)消すなど、個人が特定されない方法が使われているようだが、これに関する指示があった?

A:敵軍の情報収集を防止、妨害するための軍事戦略であり、敵陣に派遣される前に、兵士は軍旗の前での宣誓と誓約で承認している。

(参考記事:ゼレンスキー大統領、ロシア兵が戦死した北朝鮮兵の顔を焼いて身元を隠そうとしていると投稿

ー死傷者が増えているようだが、撤退を決定しない理由は?

A:(戦闘要員の戦場投入は)朝露の軍事関係を維持し、朝鮮とロシア人民の戦略的な国益を確保するための決定であり、撤退は考慮の対象外だ。

(参考記事:【写真】「北朝鮮の不良弾薬が暴発し吹き飛ぶロシア兵」衝撃の瞬間

ー北朝鮮はさらなる兵力派遣を準備しているという話も聞かれるが、どの部隊の兵力で、時期と規模は?

A:新たな人員の派遣は、軍事的必要性と戦略的協力に基づき、すでに決定されたものである。具体的な情報は公開できないが、われわれは戦争終了までロシアの同志たちと戦場で共にする。さらなる兵力を派兵して冬季訓練を行うのであれ、ロシアの塹壕で実戦を行うのであれ、われわれにとっては(米韓との)戦争準備の完了に重要な経験となると考えている。

ー戦死者の発生リスクを減らすことが最大の問題では?その対策は?

A:現在、戦術的な訓練を強化し、軍事装備を補強し、1次派遣時よりロシア語通訳の人員を2倍に増やし、朝露の軍人間のコミュニケーションを最大化するための努力を行っている。

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