コスメ好調のロフト、“限定”“先行”商品を集められる理由とは
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2025年1月12日 20時55分
文房具からインテリアまで、生活雑貨を幅広く扱うロフト(東京都/安藤公基社長)が、近年はコスメ販売で存在感を発揮している。ロフト独自の品揃えや企画が支持を集め、売場では先行商品や限定商品も目立つ。トレンドの変化が激しいコスメ分野において、コスメ用品を含む健康雑貨の売上は右肩上がりに伸びているロフト。同社はどのようにお客の心をつかんでいるのか。
独自の企画や品揃えで認知度高める
ロフトがコスメ販売を強化しはじめたのは、約10年前のことだ。「『ロフトで化粧品を取り扱っている』イメージが消費者に持たれていない状況を変えたいと思った」。コスメを含む同社の商品本部で「健康雑貨」を統括する健康雑貨部の執行役員部長 山本修史氏は、当時をそう振り返る。
認知度を高めるために、施策の一つとして取り入れたのがデジタルの活用だった。当時はまだ全盛期ではなかったSNSを活用しながら、リアルとオンラインをつなげたイベントを行ったり、情報発信を強化。そうしたなかで、ロフトが注目するコスメを一堂に集める人気企画「ロフトコスメフェスティバル」といった今や定番となった企画も生まれた。
2014年に誕生した「ロフトアプリ」の役割も大きい。顧客に直接情報発信ができるようになったほか、アプリのユーザーにはコスメ用品のサンプルを配るなど、来店動機を生む施策が続々と生まれた。
そうした企画と並行して、商品の選定力も磨いた。ロフトが扱うコスメは、百貨店とドラッグストアの間のバラエティショップの位置付け、いわゆる中価格帯の商品が主となる。
「規模が大きいドラッグストアや総合スーパーとは同じ土俵で勝負しない。そことは違った商品を探すように、バイヤーには厳しく伝えている」(山本氏)。他店にはまだ並んでいない商品を、まずロフトから販売する──。その認識のもとで探し出した品揃えとイベントなどの施策により、認知度が高まり、メーカー側から商品の先行販売や、ロフト限定の色展開など声がかかるようになったという。
商品部健康雑貨部の企画を手がける田中勇氏は「10年間続けるなかで、メーカー側にもロフトで販売するメリットを感じてもらえるようになった。ただ店頭に商品を並べるのではなく、今ではメーカーやクリエイターと協力する仕組みができている」と語る。実績を積み上げたことで入手できる情報量も増え、「先手を打ちやすくなった」(田中氏)。現在は年間14企画とイベントを11回行う売出計画をもとにメーカー側と商品展開、企画について協議しているという。
トレンドに合わせて企画、リアル店舗を重視
化粧品は、ほかの商材と比べてトレンド変化が早く、国内外の多種多様なメーカーが次々と新商品を投入している。そのため、常にトレンドに合わせて企画もアップデートする必要があり、今年は定番の「コスメフェスティバル」に加えて、トレンドの韓国コスメを集めた「Kコスメフェスティバル」を2回開催した。
24年10~11月にかけて開催したKコスメフェスティバルでは、ロフト先行販売や限定商品を含めて122ブランド、621種類を揃えた。情報発信においても、若年層の利用がとくに多いTikTokやYouTube、Instagramを通じて、インフルエンサーに店舗から配信してもらったりと、SNSの発信やマスメディアを通じた客観的な情報発信に力を入れている。
さまざまな取り組みを行うなかで、ロフトが重視するのはリアル店舗における集客だ。化粧品は店頭のテスターを見ながら、色や使い心地などを試したいというニーズが強い。ロフトではECサイトも展開しているものの、「店頭で色や香りを試したり、新たな商品を見つける楽しさといった購買体験の提供を大切にしている」(田中氏)。各店舗の売場面積によって商品展開は限られるが、ロフトの店舗のなかでも売場面積が最大規模で発信力の高い「渋谷店」(東京都渋谷区)では、ポップアップストアを出店させてほしいといった依頼も多いという。
10年以上かけてコスメ強化に取り組んだことにより、今ではロフトの健康雑貨部門の売上は全体の4~5割程度まで伸長しており、文具雑貨を抜いて一番のシェアだ。ロフト全体の売上も好調で、2019年度以降、毎年10店舗以上新規出店を進めている。コロナ禍でも新規出店を継続し、他社の動きが鈍るなかでもイベントなどを実施したことにより、メーカーとの太いパイプを築けたという。
ただ、コスメ業界はトレンドの変化が激しく、競合店との競争も激しい。山本氏は今後の課題として「ロフトに行かないと買えない商材をいかに集めるかがロフト商品部のミッション。トレンドを見据えて韓国コスメに代わるものは次は何か、探し続けなければいけない」と語った。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
2025年2月4日(火)静岡市に『ドン・キホーテ清水店』オープン 清水区内2店舗目は普段使いしやすいロードサイド店
Digital PR Platform / 2025年1月14日 15時0分
-
雑貨専門店に学ぶ若年層をファンにする方法
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2025年1月7日 2時0分
-
ローソンの「韓国コスメ」福袋が好調、発売の狙いは? 男性の購入も増えているワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 13時10分
-
【ロフト】2025年3月18日(火)「名谷ロフト」オープン!
PR TIMES / 2024年12月19日 15時0分
-
【ロフト】2025年春、郡山ロフト開店!
PR TIMES / 2024年12月18日 14時15分
ランキング
-
11時間半の山越えバスが“タダ”!? 岐阜山間部の2大都市を結ぶ無料シャトルバス運行
乗りものニュース / 2025年1月15日 14時12分
-
2裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
3悪質なデータ復旧事業者「レスキュー商法」の手口 多発する「納得できない作業結果と費用請求」
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分
-
4松屋が「本気のガチ中華」で投入した商品の"正体" 「中華一番」の作者も唸る「水煮牛肉」の実力
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時40分
-
5理想の体形や収入がいつまでも手に入らない理由 強い願いも「無意識」に打ち負かされてしまう
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください