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水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化により、高齢者の無菌性髄膜炎が増加していることを世界で初めて発見

Digital PR Platform / 2024年12月10日 13時46分

~帯状疱疹ワクチンが、無菌性髄膜炎の発症予防にもつながる可能性を示唆~

藤田医科大学(愛知県豊明市)小児科学 吉川哲史教授と三浦浩樹講師、吉兼綾美助教らの研究グループは、同脳神経内科学と共同で2013年以降、成人の中枢神経感染症患者の脳脊髄液中ヘルペスウイルスDNA検出を実施してきました。近年、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)再活性化に伴う帯状疱疹の増加が注目されていますが、同様に脳脊髄液中のVZV DNA検出率が上昇してきていることに気づき、これまでの成績をまとめて解析した結果、2019年から2022年ではVZV DNA陽性の髄膜炎患者が集積していることが明らかになりました。これらの成果により、今後、帯状疱疹ワクチンによる帯状疱疹の予防だけでなく無菌性髄膜炎の発症予防効果についても解析していく必要があると思われます。

本研究成果は、米国CDC(疾病予防管理センター)の学術ジャーナル「Emerging Infectious Diseases」(2024年12月号[11月13日発行])で発表されました。

論文URL :https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/30/12/24-0538_article

研究成果のポイント

VZV再活性化により帯状疱疹だけでなく高齢者の無菌性髄膜炎が増加していることを世界で初めて発見
帯状疱疹ワクチンが帯状疱疹の予防だけでなく、無菌性髄膜炎の発症予防につながる可能性を示唆


背景
小児科学では、脳神経内科学と共同で、小児のみならず成人についても中枢神経感染症の病原診断として、独自のリアルタイムPCR法を用いて脳脊髄液中のヘルペスウイルスDNAモニタリングを長年にわたって継続してきました。その中で近年、高齢者のVZV DNA陽性例が多いことに気づき、帯状疱疹同様、高齢化などの様々な要因によりVZV関連髄膜炎例が増えているのではないかと考えました。帯状疱疹患者数の増加は、我が国のみならず世界中から報告されていますが、VZV再活性化に伴う無菌性髄膜炎が増加していることは未だ報告されていませんでした。

研究手法・研究成果
藤田医科大学病院では2013年以降、中枢神経感染症が疑われた患者の脳脊髄液からDNAを抽出し、リアルタイムPCR法でヘルペスウイルスDNA定量を行っており、その結果を実際に臨床現場へリアルタイムにフィードバックし、診療に役立てていました。今回、そのデータをまとめて後方視的に解析し、2019年以降にVZV DNA陽性患者が集積しているかどうか統計学的に解析するとともに、2013年から2018年と2019年から2022年の2群間で臨床像を比較解析しました。

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