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埼玉医科大学の研究グループが過分化メラノーマ細胞の免疫学的特徴を解明 ― より手堅いメラノーマの治療法開発に向けて

Digital PR Platform / 2024年12月20日 8時5分

■用語解説
(注1)メラノーマ(悪性黒色腫)
 皮膚や粘膜などに存在する色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍。
(注2)分化
 未熟な(幹)細胞から、特有の機能・特徴を持った細胞に変化してくこと。
(注3)異種移植
 細胞性免疫のはたらかない免疫不全動物に、別種の動物の組織・細胞を移植すること。がん研究では、ヒトがん組織・細胞を免疫不全マウスに移植して、培養系よりもヒト生体内に近い環境で研究を行うことがある。
(注4)スタウロスポリン
 放線菌Streptomyces staurosporeusから単離された、多くのタンパク質リン酸化酵素のはたらきを阻害する化合物。
(注5)免疫チェックポイント分子
 免疫チェックポイント分子は、生理的には自己に対する免疫応答や過剰な免疫反応を抑制するはたらきを持つ。がん組織で免疫チェックポイント分子のはたらきが高まると、免疫応答によるがんの排除が妨げられてしまう。代表的な免疫チェックポイント分子にはリンパ球に発現するPD-1と、抗原提示細胞や腫瘍細胞などに発現するPD-L1がある。これらPD-1とPD-L1がお互いに結合するとがんを排除するリンパ球の免疫機能が発揮できなくなる。

■図の解説
図:過分化メラノーマ細胞の誘導と、過分化メラノーマ細胞の免疫感受性
i) マウスメラノーマ細胞株B16F10を低用量スタウロスポリンに曝露すると、ほとんどの細胞は細胞死に至る。一方、生存したわずかな細胞は細胞形態が大きく変化し、メラノサイト分化抗原を高発現した過分化状態となる。過分化状態の細胞は通常の細胞と比較して細胞死に対する抵抗性が高い。
ii) この過分化メラノーマ細胞は、抗原特異的リンパ球に認識されるものの、細胞傷害を受けない。
iii) 過分化メラノーマ細胞は免疫チェックポイント分子PD-L1を高発現している。抗PD-1抗体によってPD-L1/PD-1の結合を阻害すると、過分化メラノーマ細胞は抗原特異的リンパ球による排除が可能になる。

■論文情報
<著 者>
 Yukie Ando¹, Yutaka Horiuchi¹*, Sara Hatazawa¹, Momo Mataki¹, Akihiro Nakamura¹, Takashi Murakami¹.
1. 埼玉医科大学医学部微生物学. *Correspondence
<論文題目>
 Hyperdifferentiated murine melanoma cells promote adaptive anti-tumor immunity but activate the immune checkpoint system.
<掲載誌>
 OncoImmunology. 2025. VOL. 14, NO. 1, 2437211. (オンライン公開日: 2024年12月8日)

▼研究に関する問い合わせ先
 埼玉医科大学 医学部 微生物学 講師
 堀内 大 (ほりうち ゆたか)
 TEL: 049-276-1166
 FAX: 049-295-9107
 E-mail: horiuchi@saitama-med.ac.jp

▼取材、報道に関する問い合わせ先
 埼玉医科大学 広報室
 蒔田喜彦
 住所: 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38
 TEL: 049-276-2125
 FAX: 049-276-2086
 E-mail: koho@saitama-med.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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