アガロオリゴ糖のプレバイオティクスとしての新たな可能性を発見 特定の腸内有害菌を抑制し、有益菌を保持する革新的戦略
Digital PR Platform / 2024年12月23日 14時32分
藤田医科大学(愛知県豊明市) 消化器内科学講座、医科プレ・プロバイオティクス講座(廣岡芳樹教授)の研究グループは、伊那食品工業株式会社(長野県伊那市、代表取締役社長 塚越英弘)と共同で、寒天由来のアガロオリゴ糖※1(Agarooligosaccharides, AOS)が、腸内を選択的に改善するプレバイオティクスとして有望であることを明らかにしました。本研究は、アガロオリゴ糖が有害な腸内細菌を抑制しつつ、有益菌を維持する可能性を示した初の研究です。今後、腸内環境の改善や慢性疾患予防に向けた新しいアプローチの提供が期待されます。
この成果は国際科学ジャーナル「Microbiology」オンライン版に2024年11月20日に公開されました。
論文URL:https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/micro/10.1099/mic.0.001510
<研究成果のポイント>
アガロオリゴ糖(AOS)が、炎症性腸疾患に関連する腸内細菌Ruminococcus gnavusや、大腸がんに関与する腸内細菌Fusobacterium nucleatumを選択的に抑制し、BifidobacteriaやLactobacillalesといった有益菌を保護・増加させることを発見。
動物実験において、炎症性細菌群であるLachnospiraceaeを抑制する効果を確認。
プレバイオティクス※2としてのアガロオリゴ糖は、腸内環境改善と疾患予防に向けた新しい可能性を示す。
<背景>
腸内細菌叢※3(マイクロバイオーム)は、健康維持において重要な役割を果たしており、特定の腸内細菌が炎症性疾患や代謝障害に関連することが知られています。例えば、Fusobacterium nucleatumは腸内炎症や大腸がんリスクの増加に関与し、Ruminococcus gnavusは炎症性腸疾患に関連付けられています。一方で、BifidobacteriaやLactobacillalesは健康維持における鍵となる腸内細菌であり、それらを維持することが重要です。本研究では、寒天由来のアガロオリゴ糖がこれらの課題を解決する可能性を明らかにしました。
<研究方法>
in vitro実験:
ヒト腸内細菌叢モデルを用い、AOS添加後の腸内細菌叢の変化を解析しました。特に、病原菌と有益菌のバランス変化を評価しました。
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