【東京医科大学】肝がん治療におけるマイクロ波焼灼療法の有用性を証明~第2世代マイクロ波焼灼療法 vs. ラジオ波焼灼療法:多施設共同ランダム化比較試験~
Digital PR Platform / 2024年12月23日 20時5分
【本研究で得られた結果・知見】
2018年7月から2021年12月までに、240人の肝細胞がん患者が登録され、最終的に、119人の患者(130結節)がMWAで、117人の患者(136結節)がRFAで治療を受けました。MWA群の中央観察期間は33ヶ月(四分位範囲[IQR]:27-42)、RFA群は37ヶ月(IQR:27-44)でした。2年の局所再発率(LTP: local tumor progression)は、MWA群で16.4%(20/130結節)、RFA群で30.4%(38/136結節)であり、MWA群が有意に良好でした(リスク比:0.54 [95%信頼区間(CI): 0.33, 0.87]; p=0.007)。2年生存率(OS: overall survival)、肝内無再発生存期間(intrahepatic recurrence free survival)、および肝外無再発生存期間(extrahepatic recurrence-free survival)では両群間に有意な差は認められませんでした。また両群ともに重篤な有害事象(grade 2以上)は2例ずつ報告されましたが、治療に関連する死亡は認めませんでした。
【今後の研究展開および波及効果】
現在本邦の肝癌診療ガイドライン(2021年版)では「各穿刺局所療法の選択は、どのように行うのが適切か?」といったクリニカルクエスチョンに対して、穿刺局所療法としてRFAを推奨すると明記されています。しかし、今回の報告を契機にMWAの使用頻度が高まっていく可能性があります。また、近年大腸がんの肝転移巣に対する穿刺局所療法の有用性を示した欧州の施設からの報告が散見されます。今後は本邦から大腸がん肝転移巣に対するMWAの有効性を検証していくことが必要と考えます。
【論文情報】
タイトル:Microwave ablation versus single-needle radiofrequency ablation for the treatment of HCC up to 4 cm: A randomized control trial
著 者: Katsutoshi Sugimoto,¹* Kento Imajo,² ⁶ Hidekatsu Kuroda,³ Go Murohisa,⁴ Kazue Shiozawa,⁵ Kentaro Sakamaki,⁷ Takuya Wada,¹ Hirohito Takeuchi,¹ Kei Endo,³ Tamami Abe,³ Takashi Matsui,⁵ Takahiro Murakami,⁵ Masato Yoneda,² Atsushi Nakajima,² Shigehiro Kokubu,⁶ Takao Itoi¹(*:責任著者)
この記事に関連するニュース
-
藤田医科大学、アトランセンファーマ、ステラファーマおよびフジタとホウ素中性子捕捉療法に関する覚書を締結
PR TIMES / 2024年12月25日 11時45分
-
埼玉医科大学の研究グループが過分化メラノーマ細胞の免疫学的特徴を解明 ― より手堅いメラノーマの治療法開発に向けて
Digital PR Platform / 2024年12月20日 8時5分
-
今まで根本的な治療法のなかった悪性度の高い大腸がん肝転移の新たな治療法開発に資する発見!
PR TIMES / 2024年12月17日 9時45分
-
株式会社CICS(リゾートトラスト株式会社の連結子会社)、血管肉腫を対象としたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の国内第II相臨床試験の主要評価に関する90日間の観察期間が完了
PR TIMES / 2024年12月6日 16時40分
-
前立腺がん多発骨転移患者に対するANK療法著効例が論文掲載 PD-L1陽性がバイオマーカーとなり得る可能性を示唆
@Press / 2024年12月2日 12時45分
ランキング
-
112月末まで!今年の「ふるさと納税」注意したい点 定額減税の影響は? 申し込む前に要チェック
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 13時0分
-
2「プライドが高い日産」に手を焼くホンダの未来が見える…深刻な経営危機に陥った「国内2位メーカー」の根深い問題
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 10時15分
-
312月に大掃除をする人は「なぜお金が貯まらないのか」を片付けのプロが丁寧解説
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 9時15分
-
4焦点:日産との統合、ホンダから漏れる本音 幾重のハードル
ロイター / 2024年12月26日 14時46分
-
5日本郵便とヤマト「120億円訴訟」に至った言い分 物流サービスの「大同団結」が危うい事態に
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 7時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください