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【東京農業大学】イナゴマメの高品質ゲノム解読に成功、バイオサイエンス学科 篠澤 章久 助教、坂田 洋一 教授が宮城大学、富山大学と共同研究

Digital PR Platform / 2025年1月15日 10時30分


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図1 イナゴマメガラクトマンナンは食品添加物として利用(※試料提供:咲くやこの花館)


ローカストビーンガムの主成分である「ガラクトマンナン」の合成過程
イナゴマメの遺伝子情報全体を明らかにし、合成酵素を特定することが鍵となる

糖質には、ブドウ糖などに代表される単糖類、単糖が10 個以上つながったデンプンなどに代表される多糖類があり、それぞれ分子構造の違いによって体への吸収の早さが異なります。ローカストビーンガムの主成分である「ガラクトマンナン」は、単糖類であるマンノースとガラクトースが結合した多糖類の総称で、植物では細胞壁の構成成分や炭素の貯蔵物として合成されます。特にイナゴマメの種子の胚乳には高濃度で蓄積されています。このガラクトマンナンの合成には、以下の2 つの酵素が必要です。

・マンナン合成酵素(ManS):マンノースを結合してマンナンを合成する酵素
・ガラクトマンナンガラクトース転移酵素(GMGT):マンナンにガラクトースを付加する酵素

イナゴマメは、世界中で利用されているにもかかわらず、その遺伝子に関する情報はほとんど公開されていませんでした。

そのため、これらの酵素をコードする遺伝子を特定することができず、ガラクトマンナンの合成過程を解明することができずにいました。イナゴマメにはどのような遺伝子がどれだけ存在しているのか、遺伝子情報全体を明らかにするとともに、前述した「マンナン合成酵素(ManS)」や、「ガラクトマンナンガラクトース転移酵素(GMGT)」をコードする遺伝子を特定することが、人工的なローカストビーンガム生産技術の開発を実現するための鍵となります。

[画像5]https://digitalpr.jp/table_img/2209/102042/102042_web_2.png

このデータを基に、ローカストビーンガム( ガラクトマンナン) の合成に関わるマンナン合成酵素(ManS) とガラクトマンナンガラクトース転移酵素(GMGT) をコードする遺伝子について、候補を絞り込むことに成功しました。しかし、これらが本当に目的の遺伝子であるかを確認する必要がありました。ガラクトマンナンはイナゴマメの種子で作られるため、これらの遺伝子は葉や茎では発現していないと考えられます。さまざまな組織や器官について、これらの遺伝子の転写産物を検出したところ、マンナン合成酵素(ManS) とガラクトマンナンガラクトース転移酵素(GMGT) の候補遺伝子が種子でのみ発現していることが確認されました。この結果から、これらの遺伝子が目的のものであると特定できました。この研究により、イナゴマメがガラクトマンナンをどのように合成するのか、その分子メカニズムの解明が大きく進むことが期待されます。

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