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【学習院大学】日本産クワコの染色体スケールのゲノム解読に成功

Digital PR Platform / 2025年1月20日 14時5分




■今後の展開
今回我々が解析したクワコ系統を含む、日本列島に生息するクワコは、現在調べられている限りにおいては、全て染色体数が27です。大陸に生息するクワコは染色体数27の個体群と染色体数28の個体群が混在しています。それらの個体群のゲノムをやはり染色体スケールで解読することによって、第14染色体と第27染色体がいつ、どこで起きたのか、全てのn=27の個体群で第14染色体と第27染色体の融合が起きているのか、ひいてはクワコの進化の歴史が明らかになるでしょう。

また、NBRPカイコでは、クワコの遺伝子資源の開発のために、クワコの染色体を1本だけ有する染色体置換系統を開発しています。研究チームが整備したクワコゲノムのアノテーション情報※6は、これらの染色体置換系統を利用する上でも有用であり、置換系統の利用の促進効果が期待されます。




■発表者
李允求 学習院大学 助教
木内隆史 東京大学 准教授
山口勝士 基礎生物学研究所 主任技術員
重信秀治 基礎生物学研究所 教授
豊田敦 国立遺伝学研究所 特任教授
嶋田透 学習院大学 教授




■論文情報
論文名:A chromosome-level genome assembly of wild silkmoth, Bombyx mandarina
雑誌:Scientific Data
著者名:Jung Lee, Takashi Kiuchi, Katsushi Yamaguchi, Shuji Shigenobu, Atsushi Toyoda & Toru Shimada
DOI:10.1038/s41597-025-04395-0




■研究助成
本研究はJSPS科学研究費助成事業(J18H03949,20K15535,24K17900)、2016年度NBRPゲノム情報等整備プログラムの支援を受けて実施されました。






■用語解説
※1 染色体スケール(のゲノムアセンブリ)
アセンブリに含まれる配列数と、染色体数が等しいか、あるいはほとんど同じ場合、そのアセンブリを「染色体スケールのゲノムアセンブリ」と表現する。

※2 ミトコンドリアCOI配列やrDNA配列
ミトコンドリアのCO1配列は、高等真核生物全体で塩基配列が一定に保たれているため、種や系統関係を判別・解析するために利用される。rDNA配列とは、rRNA(リボソームRNA)をコードする配列であり、ウイルスを除く全生物に存在する。進化速度が比較的遅く、種のレベルにおいて高い相同性を示すことが知られており、系統関係の解析のために利用されることが多い。

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