1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

プレバイオティクス“ケストース”による水生鯨類のQOL改善の可能性を発見

Digital PR Platform / 2025年1月21日 14時30分

イルカの健康維持に新たなアプローチ

藤田医科大学(愛知県豊明市)消化器内科学講座、医科プレ・プロバイオティクス講座(廣岡芳樹教授)は、ウェルネオシュガー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山本貢司)、名古屋港水族館(館長:栗田正徳)と共同で、シロイルカ(ベルーガ、Delphinapterus leucas)に対するプレバイオティクス※1の有用性を確認する世界初の研究を行いました。
シロイルカは名古屋港水族館の象徴的な動物であり、その健康と福祉を守ることは重要な課題です。一方、飼育環境(餌や飼育方法)の検討による水生鯨類の健康維持に対する研究は十分な知見が存在していませんでした。いくつかの研究から、イルカをはじめとする水生哺乳類にも腸内細菌が存在し、生体の健康に何らかの影響をあたえていることは示唆されていましたが、どのようなアプローチが腸内細菌叢に影響を与えるかの知見は全く解明されていませんでした。本研究では、プレバイオティクス「ケストース」がシロイルカの健康改善にどのような効果をもたらすかを初めて検証しました。
本研究成果は2024年12月5日、獣医学における国際科学ジャーナル「The Journal of Veterinary Medical Science」(オンライン版)に公開されました。
論文URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/advpub/0/advpub_24-0131/_pdf


<研究成果のポイント>
腸内細菌叢の改善

プレバイオティクス「1-ケストース」投与により、病原性が示唆されるTuricibacter属の相対量が有意に減少。この菌が持つ病原性因子「コラゲナーゼ遺伝子」のレベルも顕著に低下しました。

健康状態の向上


血液検査の結果、基準値を超えていたクレアチニン濃度が有意に低下し、腎機能を含む全身の健康状態が改善されました。


<背 景>
シロイルカは水族館での象徴的な存在であり、その健康と福祉を守ることは飼育の持続可能性において重要な課題です。しかし、飼育環境が腸内細菌叢や全身の健康状態に及ぼす影響についての科学的な知見は十分ではありません。本研究では、腸内細菌叢の改善を目的にプレバイオティクス「1-ケストース」を投与し、その効果を初めて体系的に検証しました。


<研究方法>
今回の研究は、フルクトオリゴ糖である1-ケストースがシロイルカの健康に与える臨床的な効果を検討するためのパイロット試験です。本研究では、水族館で飼育されるシロイルカ3頭を対象に、1-ケストースを8週間にわたり投与しました。以下の要因を評価しました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください