筋肉および骨の維持には、糖質とタンパク質の適切な摂取が不可欠なことを明らかに
Digital PR Platform / 2025年2月3日 10時18分
<今後の展開>
筋肉と骨の機能を維持するためには、十分なブドウ糖とタンパク質の摂取が重要です。低炭水化物食は、肥満症などの減量によく用いられますが、食事療法にタンパク質制限が加わると、体重減少だけでなく、この低タンパク食とChrebp KOマウスを用いた研究で観察されたように、筋力や骨密度の低下を引き起こす可能性があります。したがって、体重減量のためエネルギー制限をしている場合に、骨量と筋肉量を維持するためには、タンパク質:脂肪:炭水化物の比率に注意を払う必要があります。この研究は、炭水化物の摂取量とタンパク質の摂取量の両方に注意する必要性を強調しているからです。
加えて、本研究の低タンパク質食負荷Chrebp KOマウスで骨密度が低下した詳細な機序はまだ不明ですので、脂肪、筋肉、骨組織のクロストークによる骨サルコペニアのメカニズムを解明するために、今後は組織特異的なChrebp KOマウスの解析研究が必要となります。今回の研究では深く扱っていませんが、脂肪組織の役割も重要だと個人的に考えています。
<用語解説>
*1 グルコース活性化転写因子(carbohydrate response element binding protein :ChREBP):
過剰に食べた糖類は通常、脂肪酸に変換され、体の中に蓄えられます。その方がコンパクトにエネルギーを蓄えることができるからです。その際には色々な脂肪合成に必要な遺伝子が誘導されますが、誘導のスイッチを担う転写因子の一つがChREBPです。このスイッチが働かないと、糖類を過剰に摂取した時に、脂肪が蓄えられない代わりに、肝臓でグリコーゲンの形で貯められるため、肝臓が肥大してしまいます。
<文献情報>
●論文タイトル
Chrebp deletion and mild protein restriction additively decrease muscle and bone mass and function
●著者
出口香菜子1, 後田ちひろ1, 酒井(旧姓:日高)志保美3, 土田宏美2, 和田(旧姓:山本)理紗子1, 清野祐介3, 鈴木敦詞3, 矢部大介2,4, 飯塚勝美1,5*
●所属
1 藤田医科大学医学部 臨床栄養学
2 岐阜大学医学部 内分泌代謝病態学
3 藤田医科大学医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科学
4 京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科
5 藤田医科大学病院 食養部
*責任著者
●DOI
10.3390/nu17030488 (registering DOI)
本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp
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