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量子ビームで「漆黒の闇」に潜む謎を解明―縄文から始まった"漆技術"を最先端活用へ―

Digital PR Platform / 2024年3月5日 2時5分

本研究はJSPS科研費(「21K04949」、「20K20679」)、およびJAEA原科研ACCEL研究費の助成を受けたものです。

【論文情報】
○ 雑誌名:Langmuir
○ タイトル: Effects of Fe ions, UV irradiation, and heating on microscopic structures of black lacquer films
○ 著者名:Takuya Nankawa(1)*, Yurina Sekine(2)*, Daiju Matsumura(2), Kosuke Hiroi(2,3), Shin-ichi Takata(2,3), Yoshimi Kamiya(4), Takayuki Honda(4)
○ 所属:(1) 日本原子力研究開発機構 企画調整室、(2) 日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター、(3) 日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター、(4) 明治大学


【用語の説明】

[1] 黒漆
漆が鉄分によって黒化する性質を利用して作られた漆液、もしくは漆膜のことです。生漆の中に、古くはおはぐろ(鉄漿)や刀を研いだ鉄粉などを,現代では鉄の化合物等を混入して作っています。

[2] 放射光
放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生するX線。実験室レベルのX線に比べて12桁以上の強度を持つため微量成分も検出できる。

[3] 鉄イオン
鉄元素が酸化されてイオン化したもので、主に2価と3価が安定に存在します。鉄の場合3価の多くが黄色ですが、2価が混じると黒色(黒錆び:Fe3O4)が生成するなど、価数で性質が異なることが知られています。イオンの性質を知るには価数の情報を得ることが必須となります。

[4] SPring-8(大型放射光施設)
兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(ギガ電子ボルト)に由来します。SPring-8では、放射光を用いて、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー、産業利用まで幅広い研究が行われています。

[5] J-PARC(大強度陽子加速器施設)
高エネルギー加速器研究機構(KEK)と日本原子力研究開発機構(JAEA)が茨城県東海村で共同運営している大型研究施設で、素粒子物理学・原子核物理学・物性物理学・化学・材料科学・生物学などの学術的な研究から産業分野への応用研究まで、広範囲の分野での世界最先端の研究が行われています。J-PARC内の物質・生命科学実験施設MLFでは、世界最高強度のミュオン及び中性子ビームを用いた研究が行われており、世界中から研究者が集まっています。

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