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2023年度「大学体育スポーツ学研究」優秀論文賞受賞 「笑い」はこころとからだの準備運動--大学体育授業の教育効果を高めることが明らかに--

Digital PR Platform / 2024年3月22日 20時5分

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東京女子大学(東京都杉並区、学長:森本あんり)心理・コミュニケーション学科コミュニケーション専攻の藤田恵理特任講師、同専攻の平工志穂教授、東京農工大学(東京都府中市/小金井市、学長:千葉一裕)の田中幸夫教授(*論文出版当時。現在、東京女子大学非常勤講師)の研究チームは、体育実技授業に出席した大学生を対象とした実験によって、こころの準備運動としての「笑い準備運動」が、メンタルヘルスに効果的であるとともに、コミュニケーション・スキルの向上といった大学体育授業の教育効果を高めることを明らかにしました。この成果は「大学体育スポーツ学研究」に掲載され、同誌2023年度優秀論文賞に選出されました。




■研究の背景
近年、大学新入生の約25%が抑うつ症状を有しており、大学生の自己肯定感の低さや対人緊張、コミュニケーション能力の未熟さからおこる疲労感や抑うつ、不安症などコミュニケーション能力の低下やメンタルヘルスの不調が指摘されています。このような時代において大学体育の果たす役割は大きく、大学体育授業により体力向上などの身体的効果や、不安低減などの精神的効果、社会的効果が得られることが報告されていますが、大学体育授業によるコミュニケーション・スキル向上の方法については十分な研究がなされていませんでした。

人とコミュニケーションをとるときに相手の表情から受ける影響は大きく、ポジティブな信号を発する笑顔は、社会的コミュニケーションにおいて重要な役割を担っています。さらに、笑いはストレスや緊張を和らげるなどの精神的に良い影響をもたらすことが認められています。笑いによって起こるポジティブな感情は、自分への自信につながり運動を行う際にも好影響をもたらすため、笑いによるこころの準備運動は、メンタルヘルスやコミュニケーション・スキルの向上といった大学体育授業の教育効果へのアプローチとして有効であると考えられます。

そこで本研究では、コミュニケーションを円滑にする効果やポジティブな感情を喚起する効果が期待できる「笑い」を大学体育授業内で活用し、コミュニケーション・スキル向上も意図した「笑い準備運動」を開発することを考えました。



■研究手法
関東圏の四年制大学において体育実技授業を受講した大学生28名を研究対象者としました。本研究での「笑い準備運動」では、実験参加者はロールモデルが笑い準備運動を実施する映像を視聴しながら、ロールモデルの動きを模倣することにより、笑顔を意識的に作ります。笑い準備運動は「スマイル」、「大笑い」、「お腹をかかえて笑う」、「手をあげて笑う」で構成されており、全体として約2分間です。さらに、通常の準備運動として3分程度ストレッチをおこないました。一方、対照群は、通常の準備運動としてストレッチのみを行いました。授業の開始時および終了時に質問紙調査を行い、POMS2短縮版により気分・感情を、コミュニケーション・スキル尺度(ENDCOREs)によりコミュニケーション・スキルを評価しました。

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