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目先のことを過大評価してしまう人間の行動を分析し最適な介入を導出する数理モデルを開発 ~シミュレーション実験の計算コストをかけずに、個人の目標達成の成功を支援~

Digital PR Platform / 2024年4月19日 15時7分

 さらに、このモデルを用いることで今まで困難だった介入の最適化問題を現実的な時間で解くことができることを示しました。最適な介入の例として、現在バイアスが弱い人には報酬をまとめて一度に設定することが、逆に現在バイアスが強い人には報酬を分割して高頻度に設定することが最適であることを数学的に示しました。この結果は、現在バイアスが強い人の行動は目先の損得に左右されやすいため、中間的な報酬という目先のゴールを常に意識させることで効果的であることを意味していると解釈できます.導出された最適な介入を現実世界における健康や教育などにまつわる個人の目標達成行動に対して適用することで、目標の達成率を大きく改善することができる可能性があります。


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3.技術のポイント

● 「進捗積み上げ型タスク」への着目 
 本研究では、目標達成タスクの中でも「進捗積み上げ型タスク」と呼んでいるものに着目しました。進捗積み上げ型タスクとは、与えられた制限時間内に「進捗」と呼ばれる数値を積み上げて「目標進捗」の達成を目指し、達成すると報酬が得られるようなタスクのことです。このようなタスクは現実世界でも日常的に現れます。例えば、健康のために1週間で10時間歩く、6ヶ月で大学の卒業論文を完成させる、などのタスクが該当します。進捗積み上げ型タスク特有の構造を制約として組み込み、さらに数学的なテクニックを駆使することにより、人間の振舞いを数学的に閉形式で書き下す 図 2 進捗積み上げ型タスクの例ことに成功しました。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/87003/600_409_202404191042176621cbf9bcbe4.JPG




[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/87003/600_412_202404191042176621cbf9ac282.JPG


● 数理最適化技術の利用
 構築したモデルにおいて最適な介入を求めるため、数理最適化と呼ばれる技術を利用しました。数理最適化とは、制約を満たす解の中で目的関数(※4)を最小化もしくは最大化するようなものを効率的に見つけ出す技術分野であり、長い歴史をもちます。今回この数理最適化技術で用いられるテクニックを活用することで、様々な問題設定(最適な目標設定問題、最適なインセンティブ設計問題など)において最適な介入を高速に求めるアルゴリズムを構築することに成功しました。

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