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オンラインと対面を交えたハイブリッド方式で運動を行った場合でも、適切な運動によって高齢者の認知・身体・心理・集団機能を改善することを証明~ 遠隔地の高齢者や外出が困難な在宅者の運動を通じた心身の健康増進への応用に期待 ~

Digital PR Platform / 2024年4月30日 14時5分


3. 研究の概要と主な結果

本研究には、身体的傷害や内科的疾患のない健康だけれども活動的でない合計93名の高齢者(男性19名、女性74名、年齢68.3歳 ± 5.7)が参加しました。介入群の参加者58名(男性9名、女性49名)はSSEの未経験者で、高齢者対象のアクティビティ・センターで、12週間に渡ってハイブリッド方式(Zoomを用いたオンラインによるインストラクターの指導を受けながら2-3のグループとして対面で運動する)でSSEを実施しました。一方、対照群の参加者35人(男性10人、女性25人)は、研究期間中、新しい活動を始めることなく、通常の身体活動レベルを維持するよう指示されました。

認知機能はStroop Colo-Word TestおよびTrail Marking Test (TMT)を用いて、心理機能と集団機能は、主観的活力尺度と身体活動集団環境質問紙によって評価しました。身体機能は歩行速度によって評価されました。


(添付:図1. Stroop Colo-Word Testの不一致条件における正回答の反応時間(Reaction Time) と正確性.
注) ms = milliseconds. Error bar: SD. ** p < .01.)

Stroop Colo-Word Test(図1)とTMTの結果から、ハイブリッド方式によるSSEは実行機能の改善に非常に有効であるとともに、身体的機能(普通と最大の歩行速度)や、心理的機能(主観的活力)の改善にも有益であることが明らかになりました。さらに、ハイブリッドSSEを通じて、参加者はトレーニング課題への取り組み程度が増加すると共に、社会的コミュニケーションも増え、グループのメンバーとの絆や親密さが増したことも分かりました。


4. 研究成果がもたらす可能性

本研究の結果は、コロナウイルスと共存していく必要がある中で、より安全で効率的な運動の選択肢を高齢者に提供するために極めて重要です。またハイブリッド方式によってSSEを行うプロトコルは、遠隔地の高齢者や外出が困難な在宅者に対しても応用可能であることから、そのような方たちに適切な運動を通じて心身の健康を高める機会を提供することに繋がることが期待されます。


5. 論文情報

Kawabata, M., Gan, S. R., & Chen, S. H. A. (2024). Effects of Square Stepping Exercise on cognitive, physical, psychological, and group functions in sedentary older adults: A center-based hybrid trial. BMC Geriatrics. DOI: 10.1186/s12877-024-04904-7

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