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インフラ設備の鋼材に発生した腐食の深さを画像から自動で推定する技術を確立 ~高精度な設備の耐久・耐荷性能診断による、維持管理の低コスト化を実現~

Digital PR Platform / 2024年5月13日 15時9分


2.技術の概要
 デジタルカメラで撮影した鋼構造物の画像から自動的に腐食を検出し、腐食による鋼材断面の欠損量を推定する画像認識技術を確立しました。本技術は、NTTが保有している通信インフラ設備である鋼製の管路設備(鋼管)を用いて構築しています(図1)。

【技術ポイント】
①腐食の検出:
 鋼材断面の欠損を伴わない軽微な腐食が発生した領域、断面欠損を伴う腐食が発生した領域、腐食が発生していない健全な領域に区別して判定します。これにより、鋼材断面の欠損を伴う監視性の高い腐食の発生領域を定量的に把握できます。

②鋼材断面の欠損量推定:
 NTT独自のデータベースを用いた機械学習モデルの構築により高精度な推定を実現しました。腐食の広がり、色、錆こぶの大きさ等といった腐食の進行により変化する様々な外観特徴の中から鋼材断面の欠損量と関連性の高い特徴を明らかにしました。この特徴に基づき様々な進行度合いの腐食画像をグループ化し、各グループで十分かつ均等になるように腐食の画像とその画像における断面欠損の計測値を用意しました。
 このように適切な特徴に基づく画像選別と正確な欠損量計測で構築した質の高いデータベースが高精度な欠損量推定を可能にしました。図1の画像はパイプカメラ※5を用いて鋼管の内面を撮影した様子です。腐食の検出では断面欠損を伴う腐食が発生した領域を検出します。その後、腐食の進行度合いを解析することで管路断面の欠損量を推定します。最後に、通信用の鋼管は健全な状態で厚さ4.20mmであるため、断面の欠損量を引くことによって腐食箇所における残存する鋼材厚さは2.95mmと算出できます。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/87937/600_404_20240509141316663c5b6ca5cc5.png


図2.本技術を用いた鋼管の鋼材の厚さの推定



3.検証の概要
① 検証内容
 現場に設置されていた鋼管を用いてパイプカメラで鋼管内面の撮影を行い、撮影画像から本技術を用いて腐食による鋼材断面の欠損量を推定しました。また、本技術で推定を行った腐食30箇所で鋼管を断面方向に切断し、電子顕微鏡を用いて断面の欠損量を測定しました(図2)。

② 検証結果
 鋼管の鋼材断面の欠損量の実測値と、本技術による推定値の結果を図3に示します。相関係数※6は0.803であり高い相関を確認しました。推定値の実測値に対する平均誤差は誤差0.20mm、ばらつき※7は0.12mmでした。これらの結果より、鋼材断面の欠損量は誤差±0.44mmの精度※8で推定できることを確認しました。

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