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SGLT2阻害薬治療早期の一時的な腎機能低下に影響を与える因子と腎予後との関連性を明らかに

Digital PR Platform / 2024年5月22日 10時0分





研究内容
 本研究グループは、J-CKD-DB-Exを用いて、SGLT2阻害薬の投与開始前に1年以上継続的に登録されていた2型糖尿病をもつCKD患者2,053人を解析しました。平均年齢は62.2才、男性は57.4%で、約7割が蛋白尿陰性でした。RAS阻害薬の使用率は約5割でした。主要評価項目はGFRの初期低下(イニシャルドロップ)に関係する因子の同定、副次評価項目はイニシャルドロップの大きさと複合腎エンドポイント(持続的なGFR50% 以上の低下またはGFR 15mL/min/1.73m2未満への低下)との関連です。イニシャルドロップは、SGLT2阻害薬投与開始直前のGFRから投与開始後2ヶ月以内の最低GFRを引いた差と定義しました。重回帰分析の結果、イニシャルドロップに関係する因子として、RAS阻害剤や利尿剤の併用、尿中タンパク高値、およびSGLT2阻害薬投与開始前のGFRの変化が明らかとなりました(β =-0.609、P=0.039;β=-2.298、P<0.001;β=-0.936、P=0.048;β=-0.079、P<0.001)(表1)。 また、イニシャルドロップの大きさで患者を四分位にわけると、イニシャルドロップが最も大きかった四分位群(Quartile 4)は、他の群に比べて、その後の複合腎エンドポイントの発生率が高いことがわかりました(ログランク検定、P<0.001)(図1)。
 SGLTSGLT2阻害薬の腎臓保護効果は、多くの大規模臨床試験によって実証されています。SGLT2阻害薬は投与開始後にイニシャルドロップと呼ばれるGFRの初期低下を来すことが知られていますが、どのような患者にこの現象が起こりやすいか、また、イニシャルドロップが腎予後に与える影響については、十分にわかっていませんでした。今回、研究グループはリアルワールドデータの解析を通じて、SGLT2阻害薬の投与開始時に利尿薬を使用していることが、イニシャルドロップに最も強く関連していることを明らかにしました。さらに、過度のイニシャルドロップを来す患者は、そうでない患者に比べて、腎イベントの発生リスクが相対的に高いことが分かりました。






[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1706/88485/500_278_20240521140432664c2b60be87f.jpg
表1 GFR のイニシャルドロップと関連する因子

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