進化によるCO₂固定酵素の最適化が葉の多様性を支える~世界自然遺産小笠原諸島で共存する樹木から解明--北里大学
Digital PR Platform / 2024年5月21日 14時5分
・本研究はJSPS科研費(16K07526、 23K11392、 24K09622、 24H00778、 20K15554、 19K12310、 20H03077、 18H04149、 21K19864、 23KK0119、 24K03129)の助成を受けたものです。
■用語解説
*1 ルビスコ:
生体内で起こる化学反応を促進する(触媒する)タンパク質を酵素と呼びます。ルビスコは光合成生物がCO2を固定する反応を触媒する酵素で、地球上のほとんどの生態系において、有機物生産の入り口に相当する酵素です。多くの酵素に比べてルビスコは反応速度が遅いため、植物は大量のルビスコを葉に含む必要があります。通常、光が十分あたっている場合、光合成はルビスコの反応に制限(律速)されています。また、ルビスコはCO2だけでなく、大気のO2を有機物に固定する反応も引き起こします。その結果、植物は光合成と同時に、これまでに稼いだ有機物を分解してCO2を放出しています。つまり光を受けている葉では、光合成に加えてルビスコのO2固定に由来するCO2の放出とミトコンドリアでの呼吸によるCO2の放出が同時に起きています。
*2 SC/O:
SC/O(ルビスコのCO2/O2比親和性)は、ルビスコがCO2の固定またはO2の固定のいずれの反応を触媒しやすいかを表す指標です。高いSC/O値をもつルビスコはCO2を正確に選別し、光合成を効率よくすすめることができます。しかし、一般に高いSC/O値を持つルビスコは最大反応速度が低くなるというデメリットが報告されています。
*3 C3植物:
植物は光合成のタイプによりC3植物やC4植物などに分けられています。多くの草本植物、木本植物、作物などはC3植物で、大気のCO2をルビスコが有機物へ固定しています。一方、C4植物はルビスコとは別の酵素(PEPカルボキシラーゼ)が大気のCO2を葉の中に濃縮してから、濃縮されたCO2をルビスコが有機物に固定しています。
■補足事項
文中語句の以下の文字は、下付き文字に振り替えてお読みください。
・「CO2」の「2」
・「SC/O」の「C/O」
・「O2」の「2」
・「C3植物」の「3」
・「C4植物」の「4」
■問い合わせ先
【研究に関すること】
北里大学一般教育部
准教授 坂田 剛
e-mail:sakata@kitasato-u.ac.jp
【報道に関すること】
学校法人北里研究所 総務部広報課
TEL:03-5791-6422
e-mail:kohoh@kitasato-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
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