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ナノポアシークエンス解析により日本人におけるSCA27Bの遺伝学的特徴を解明

Digital PR Platform / 2024年5月31日 8時30分



[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1706/88901/500_489_202405281307556655589ba0b4c.jpg

図1 日本人コントロールと小脳失調の患者さんのFGF14リピート配列のウォーターフォールプロット

人は、その両親から由来するFGF14遺伝子を2つ持っているので、FGF14のリピート配列も2つ持っている。その2つあるリピートのうち、1つが異常伸長した場合にSCA27Bを発症する。本図は、FGF14リピート数の長い方が正常の50回を超えている人について、その配列をウォーターフォールプロットで示した。2つのうち短いリピート配列をアレル1、長いリピート配列をアレル2と分けている。グラフの横軸はリピート長、縦軸は各人のリピート配列。縦軸1行につき一人のリピート配列を左から右に向かって表示し、リピート長の長い順に下から積み上げて図示している。日本人コントロールと小脳失調症の患者さんのアレル1は、1例を除き正常リピート数を超えておらず、この1例を除く全員がリピート伸長抑制配列(ピンクもしくは灰色)をGAAリピート配列(青色)の直前に持っている。日本人コントロールと小脳失調症の患者さんのアレル2を見ると、GAA伸長配列より、GCA伸長配列(オレンジ色)でリピート長が長い傾向があり、GCA伸長配列はどちらの集団(日本人コントロールと小脳失調症患者さんの集団)においても、発症のしきい値の200回を大きく超えるものが多く見られる。GAA伸長配列の直前にGAA伸長配列とリンクする配列(黄緑色、rs534066520が本来の塩基であるTになっている)が、GCA伸長配列の直前にGCA伸長配列とリンクする配列(赤色、rs534066520がAに変化している)が存在しており、GAA伸長配列とGCA伸長配列は別の祖先染色体DNAに由来する可能性が示唆される。



[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1706/88901/500_217_202405281307586655589ec0b90.jpg

図2 FGF14リピート配列と小脳失調症発症の関連についてのオッズ比
GAAリピート伸長が200回以上になると、有意に発症のリスクが高まる。
GCAリピート伸長では発症のリスクに差が見られない。










今後の展開
 本研究により、SCA27Bにおけるリピート配列、およびリピート数と疾患の関連が明確になりました。本疾患の遺伝学的理解が深まるとともに、SCA27Bの正確な遺伝学的診断のために有用な情報(リピート数のみでなく、リピート伸長を構成している配列を確認する必要性)を提供するものです。

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