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タンパク質結晶の高強度化と高延性化を実現

Digital PR Platform / 2024年5月31日 8時30分


[画像5]https://digitalpr.jp/simg/1706/89063/500_163_202405291334146656b04640126.jpg
図5 (a) リゾチーム結晶と圧縮試験の模式図と、
(b) それぞれの方向から見た時の架橋タンパク質結晶のX線トポグラフィ像とその模式図











今後の展開
 本研究では、架橋を施したタンパク質結晶の定量的な力学特性の評価と、その変形機構の解明に成功しました。固体材料の延性という性質は、金属材料や高分子材料のように、その固体を求める形へ変形させたり、加工させたりできる能力があることを示しています。生体分子から成る架橋タンパク質結晶の力学特性の解明を足掛かりに、脆性や延性などの材料特性の新たな知見の提供だけでなく、新たな素材としてのタンパク質結晶の応用が期待されます。


研究費
 X線トポグラフィ測定は、KEKのフォトンファクトリーBL-14B、BL-20B(Proposal Nos. 2021G022、2023G030)にて行われました。本研究の一部は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業さきがけ(JPMJPR1995)、JSPS科研費(19K23579、21K04654、 23H01305)の支援を受けて実施されました。


論文情報
タイトル:Cross-linking controls the mechanical properties of protein crystals
著者:Daiki Takaku, Ryo Suzuki, Kenichi Kojima, Masaru Tachibana
掲載雑誌:Physical Review Materials
DOI:https://doi.org/10.1103/PhysRevMaterials.8.L052601



[画像6]https://digitalpr.jp/simg/1706/89063/350_77_202405291334186656b04a2f294.jpg







用語説明
*1 タンパク質結晶:タンパク質分子が規則正しく配列した結晶。目的のタンパク質を結晶化させ、X線回折測定とその解析からタンパク質分子の3次元構造を知ることができる。

*2 応力ひずみ曲線:引張や圧縮試験時の試料の変形に必要な荷重を試料の断面積で除した値を応力、試料の変位を元の長さで除した値をひずみという。これらの関係を示したものが応力ひずみ曲線である。応力ひずみ曲線の横軸は材料の伸びや縮みを、縦軸は強度を示す。

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