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【甲南大学】哲学者・九鬼周造の代表作『「いき」の構造』と『偶然性の問題』の手拓本をデジタルアーカイブにて公開

Digital PR Platform / 2024年6月3日 14時5分

【甲南大学】哲学者・九鬼周造の代表作『「いき」の構造』と『偶然性の問題』の手拓本をデジタルアーカイブにて公開



甲南大学図書館は、同図書館の九鬼周造文庫に収蔵されている、九鬼周造の代表作『「いき」の構造』と『偶然性の問題』をデジタルアーカイブで公開しました。いずれも、本が出版された後に九鬼本人による加筆や訂正の書入れが行われているもので、学術的な資料価値が高いものです。




 甲南大学図書館の九鬼周造文庫には、哲学者・九鬼周造の旧蔵書、原稿やノートなどが保管されています。学術的な資料価値が高い直筆原稿やノート等から順次電子化を進めており、2018年から甲南大学デジタルアーカイブで公開しています。今回公開いたしました『「いき」の構造』と『偶然性の問題』は、九鬼周造の代表作である書籍ですが、いずれも九鬼周造本人による書き入れがされている手拓本です。

 九鬼周造は、昭和16年(1941年)、京都帝国大学在職中に53歳で病没したため、多くの原稿が未発表のまま残されました。代表作である『「いき」の構造』と『偶然性の問題』も、生存中に改訂版は出版されておりません。昭和55年から57年(1980年から1982年)にかけて、甲南大学哲学研究室(当時)が中心となって編集した『九鬼周造全集』に、未発表の著作と手拓本の書き入れを反映した『「いき」の構造』が掲載されましたが、今回、改めて哲学者の思索の跡を辿ることができる資料として、2冊の手拓本を保存されているままの形で電子化し、公開することにいたしました。

 『「いき」の構造』は、昭和5年(1930年)に岩波書店から出版されました。手拓本には、書き入れのほかにも、巻末には正誤表が付されており、関連する新聞記事の切り抜きと、京都帝国大学の同僚であった田中秀央(1886年-1974年, 西洋古典学・言語学)からの手紙も挟み込まれています。



 『偶然性の問題』は、昭和10年(1935年)に岩波書店から出版されました 。甲南大学図書館にある手拓本は、片面刷りで奥付もありませんが、余白となったページなどに書き込みがあります。こちらの手拓本にも同様に新聞記事が挟み込まれていますが、九鬼周造文庫には、他にも九鬼周造が「偶然性」を拾い上げて蒐集した新聞記事が数多く収められています。



 本資料の公開は、KONANプレミア・プロジェクトの研究力展開プロジェクトの「甲南大学知的財産デジタル化推進プロジェクト」で行いました。甲南大学図書館は、これからも甲南大学が所蔵する貴重資料や研究成果をデジタル化・WEB公開することでさらなる利活用を図り、社会全体の学術研究発展に貢献いたします。

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